アスパシオンの弟子 その言葉を、あなたに。(後)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/03/06 20:08:06
あ……ら?
私どうしたのかしら。地に横たわって。
新しい次元は……閉じましたよね? 振動箱のスイッチを、二人で押したはず……。
「う……うん。新次元はちゃんと閉じ...
あ……ら?
私どうしたのかしら。地に横たわって。
新しい次元は……閉じましたよね? 振動箱のスイッチを、二人で押したはず……。
「う……うん。新次元はちゃんと閉じ...
「フィリア、ありがとう!」
ウサギがメニスの混血の娘に叫びます。かわいらしいお嬢さんに。
ありがとう。でもごめんなさいね。少し時間を下さいね。私、アイテリオンと話したいんです。さあ、彼の前に追いつきましたよ。
「リオン……!」
「オマエ、ハ」
「リオン、私です」
...
(今回はアイダさん視点のお話です)
まさか、ウサギだなんて思いもしませんでした。
八番島に赴任したあの時。サナダ技能導師に紹介されたピピさんに初めてお会いした時には。
こんなに頼りなげな男の子が魔人?
第一印象はそれしかなかったのです。
赴任して三日目のこと。助手が部品を通気管に落とし...
剣の言う通りであった。 赤毛の女の子たちは半日たたぬ間に、青年が希望する食材をすべて手に入れてきてくれた。 材料がくるまで、青年はあれこれレシピを考えていた。 何より、喉のためになるものを。 まろやかで。痛みをやわらげるようなものを、と。「よし、作るぞ」 材料を前に気合一発。青年は腕をふるって作...
数日で完成する。 ぼむんとおのが胸を叩く使い魔ウサギに言われたので、青年は時計が出来上がるまでの間、塔に泊まらせてもらうことにした。 螺旋階段の周りに部屋がある塔には、赤毛の女の子がたくさん住んでいる。 そのだれもがひとかどの技師なので、青年は目を見張った。ある階では金属が鋳造され、またある階では...