自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・184
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/05/20 10:14:12
【想う心は】
「……ロラン」
ランドは両手で顔を覆っていた。
「そんな……ぼくのせいで、呪われてしまっただなんて」
卓を挟んで向かいに座る娘も、沈痛に目を伏せた。
「ごめんよ、ロラン、ごめん……」
ランドはす...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【想う心は】
「……ロラン」
ランドは両手で顔を覆っていた。
「そんな……ぼくのせいで、呪われてしまっただなんて」
卓を挟んで向かいに座る娘も、沈痛に目を伏せた。
「ごめんよ、ロラン、ごめん……」
ランドはす...
「よくぞ来た、ルナよ。わしはそなたらをずっと待っておった」
祠の中央は聖堂となっている。祭壇の前に、初老のたくましい男が立っていた。金と緑、赤を組み合わせた神官の服を着ている。
「ロランとランドに会わせてください。一緒に連れて来たんでしょう?」
真っ先にルナが尋ねると、神官――ジェリコは落ち着き...
【天意の祠】
温かいスープの香りがした。ルナはぼんやりと天井を見上げる。
ふかふかのベッドに寝ていた。白い石でできた天井には、色とりどりの花の絵が描かれている。
(私……あの時……)
「お目覚めになりましたか」
ふわりと風がなでるような...
【窮地と叫び】
ロランは、白骨でできた剣を振り上げ、バズズの影へ斬りかかった。3体の悪魔の中では一番小柄で倒しやすそうに見えたからだ。
暗転した空は薄暮の明るさをとどめている。薄闇の中、悪霊の神々の影だけがくっきりと濃かった。
ロランの打ち振った剣は、たやすくバズズの影の胸元を切り裂いた。ぎ...
【無限の花園にて】
見渡す限り、花畑だった。
空は明るい白。
どこかで小鳥がさえずっている。
ランドはぼんやりと卓にかけていた。真っ白な円卓で、金で流れる水と花が縁取ってある。
(ここは……)
ランドはゆっくりと首を巡らせてあたりを見回した。花畑と白い空が続...