自作5月 晴れ・夢 「ありがとう」(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/05/26 17:27:01
「ネコメくん、乗ってるね」
「実はこの韻鉄を加工できるのがうれしくて」
ネコメさんは満面の笑みで、せまい額の汗をぬぐった。
「永年恋焦がれていた恋人に、やっと告白できたような気分で……爽快です」
「そりゃまたずいぶん、入れこんでたんだなぁ」
「ひとめぼれ、でした...
「ネコメくん、乗ってるね」
「実はこの韻鉄を加工できるのがうれしくて」
ネコメさんは満面の笑みで、せまい額の汗をぬぐった。
「永年恋焦がれていた恋人に、やっと告白できたような気分で……爽快です」
「そりゃまたずいぶん、入れこんでたんだなぁ」
「ひとめぼれ、でした...
パパの隣には、真っ白なウサギさんが座ってる。
なんだか凄く、疲れてる感じ。でも、かわいい。
このウサギさんは、わたしたちを迎えに森にやって来たの。
「はい、ありがとうございます。でもなんだか、本当にすみません。その……蛇の王妃さまが、塔をぼろぼろにするなんて、...
あは。くすぐったい。
これはなんの音? むずむずしちゃう。
音がはじけて、くるくるまわってる。
つんつんほっぺたをつつかれてるかんじ。
どうしよう。どうしよう。
手足がかってに動きそう。きらきらしそう。
わたしが、ちゃんとわたしだった時みたいに。
ちきちき鳴りながら光るくすぶり。...
それから永い時間がたったあと。 私はトレジャーハンターの船に引き上げられました。 フジツボだらけの私の首には、フェイディアス様の白い骨の欠片がからみついていました。その腕の部分だけが。 他の部分は波にさらわれたり、魚につつかれたりして、なくなってしまったのです。 私はきれいにされて、い...
(今回はちょっとホラーです)
そのデッキは真っ白で、乗ってくるお客さんは誰もが一瞬目を焼かれました。 大理石のやわらかな光沢じゃありません。硬化ワックスを薄く薄く流し込んでいるのです。 だから異様につるつるで、ぴかぴかすぎました。 緩やかな曲線を描いて、はるか頭上でまあるい天蓋を作ってい...