自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・204
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/08/29 22:26:32
最終章
【勇者達の凱旋】
天意の祠にあった旅の扉は、ベラヌール法王庁の執務室にある旅の扉と直結していた。ロラン達が出現すると、法王ハミルトをはじめ、多くの神官や僧侶、異端審問官までもがそろって拍手したので驚いた。
「いましがた、暗黒に包まれていた空がきれいに晴れ渡ったのです。おそらく殿下達が邪神...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
最終章
【勇者達の凱旋】
天意の祠にあった旅の扉は、ベラヌール法王庁の執務室にある旅の扉と直結していた。ロラン達が出現すると、法王ハミルトをはじめ、多くの神官や僧侶、異端審問官までもがそろって拍手したので驚いた。
「いましがた、暗黒に包まれていた空がきれいに晴れ渡ったのです。おそらく殿下達が邪神...
「よくぞ来た、ロラン! わしはそなた達をずっと待っておった!」
神官ジェリコが誇らしげに言い放ち、その後うっと声を詰まらせた。
「……最初にこう言いたかったのだ……。しかしそなたは破壊の剣に呪われ、人事不省であったしなぁ…&he...
それを見たランドは直感した。叫んでいた。
「ロラン! 稲妻は――君の味方だ!!」 雷鳴がとどろいた。
(――ああ)
ロランは束の間瞑目し、剣を握りしめた。
(そうか。勇者って……そういうことだったんだ)
ここで負ければ、自分達が背負ったすべての命が死ぬ。相対するのは...
集中するルナを背に、ロランとランドは懸命にシドーの攻撃をしのぎながら機をうかがっていた。そこへ、一羽の大きな光の鳥がシドーへ向かって飛ぶ。
「効いた!」
ランドが叫んだ。鳥がシドーの胸にぶつかった瞬間、シドーの全身が暗い青の光に包まれたのだ。ルカナンと同じ効果だと知り、ロランはランドとともに瓦礫...
雷鳴がとどろいていた。大蛇のような稲妻が周囲を駆け巡っている。
「――っ!」
ロランは、拳で床を打った。
「勝てないのか、どうやっても!」
拳を床に置いたまま、ロランは顔を上げなかった。ランドも沈痛にうつむいている。
(本当に、本当にそうなの……?)
ルナは闇に浮...