機霊戦記 6話 ロッテの憂鬱(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/09/14 09:38:21
直後。「ごめんっ!」 赤毛少年は苦悩の呻きを上げ、作業台から降りてテルとネコに土下座した。 代理騎士に選ばれていれば、ツケも借金も一切合財支払えたはずだとぶうぶう言う。 みるみるがっくり肩を落とすテル。ぷがぷが怒り出すハゲネコ。 つまり僕がこいつを雇っていれば、大団円になる展開だったらしい。『男...
直後。「ごめんっ!」 赤毛少年は苦悩の呻きを上げ、作業台から降りてテルとネコに土下座した。 代理騎士に選ばれていれば、ツケも借金も一切合財支払えたはずだとぶうぶう言う。 みるみるがっくり肩を落とすテル。ぷがぷが怒り出すハゲネコ。 つまり僕がこいつを雇っていれば、大団円になる展開だったらしい。『男...
「あちゃあ。もしかして、女装がバレたとか?」 彫像のごとく硬直する僕の耳に、テルがびたっとおのが額に手を当てる音が聞こえてくる。「代理騎士(お妃)募集だったもんねえ。国家機関をごまかすのは、さすがに無理だったかー」 「いや、そこは完ペキ」 長い髪を解いた赤毛の少女――いや、少年は、伸した...
「この街は遺跡に近くて、発掘屋が結構いる。奴らは、落下物は隕石系のモノって思い込んでるぜ。しかもかなりな大きさのモノってな。だから、かなーり色めきたってる」「色めき……?」「一体誰が一番乗りして、隕石おたからを持ち去ったかって騒いでるんだ。お宝の行方を嗅ぎ回ってる輩が、最...
『アル! 返事して! アル――!!』 地に激突した瞬間。 ものすごい黄金の渦に呑み込まれたのを覚えている。『死なせません……マレイスニール』 僕のアルゲントラウムは「僕」のことを認識していなかった。 すっかり、初代皇帝だと思い込んでいた…&he...
「小説家になろう」の文学フリマ短編小説賞、一次通過をしておりましたが……
応募していた「地域ねこ」、なんと優秀賞に選んでいただけました!大賞2作品、優秀賞3作品のうちのひとつです。
受賞作品は「小説家になろう」が作る同人誌に収録されて、文学フリマに出品されるのだそうです。...