水着コーデ⭐コレクション⭐2017夏 / 石物語
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/08/14 00:14:53
~A.D.1865 某海水浴場にて~
「夏だ!」
白波寄せる白い砂浜。
「今日もおよぐうー!」
赤毛の少女が、裸足で波打ち際を走っていきます。しましま水着にゆったり白シャツという、なんとも爽快ないでたちで。 青いラピスラズリのお守りが平らな胸元ではずみ、キラキラ。 白く細い素足は太ももまで...
~A.D.1865 某海水浴場にて~
「夏だ!」
白波寄せる白い砂浜。
「今日もおよぐうー!」
赤毛の少女が、裸足で波打ち際を走っていきます。しましま水着にゆったり白シャツという、なんとも爽快ないでたちで。 青いラピスラズリのお守りが平らな胸元ではずみ、キラキラ。 白く細い素足は太ももまで...
しゅるしゅる。しゅるしゅる。 一角獣《ユニコーン》の角が回転し、瓦礫の山の根元に穴をあけていく。 角の先端から迸る赤光が、驚くべき速さで建材を溶かす。 深く深く、穴がうがたれていく――。 ソムニウスは士長と馬首を並べて作業した。 操作は簡単だ。馬の背にまたがり、両手で首の部分についた手綱のような取...
狭い穴道を、銀色の馬が駈ける。 長い首をほぼ水平に倒し、風のような速さでびゅんびゅんと。 全身金属であるはずなのに、その関節も腹も首も、実になめらかだ。 その瞳はしずく星のように蒼く、たてがみや尻尾はフサフサきらきら波打っている。 その頭部に輝いているのは、大きく優美な一本の角――
「急げ! 走...
「家族の安否を確かめなくてよいのか? そなた、心配だろう?」「いえ、ほかの男衆があのように動いておりますんで大丈夫でしょう。私は魚喰らいさまを手伝います」「しかし」「大丈夫です」
なぜか士長はかたくなに、家族のもとへ行くことを拒んだ。
(そういえば若君が殺された夜も、この男は家族には会わずに現場...
冷え切った風が暗い穴を吹き抜ける。ひゅおおうと、どこからか穴を通る空気が鳴っている。ひとつところからではない。そこかしこから聞こえていて、うるさいぐらいの音の|交叉《こうさ》だ。
「細い穴がたくさんあるのだな」「空気穴です。地上にむかってかなりの数、あけられています」
白子を背負う士長がうなずく...