9月自作(病気) 「出会いの日」2/2
- カテゴリ: 自作小説
- 2020/09/30 23:57:16
それから俺は、ただただ呆然と、部屋が子供のもので埋まっていくのを眺めるばかりだった。 組み立て式の天蓋付きベッド。ちなみに天蓋は花模様の豪華なステンドグラス。子ども曰く、芸術家の手による一品もの、らしい。 巨大な十五階建てのドールハウス。たぶんこれは白鷹の城をそのまんまモデルにしてる...
それから俺は、ただただ呆然と、部屋が子供のもので埋まっていくのを眺めるばかりだった。 組み立て式の天蓋付きベッド。ちなみに天蓋は花模様の豪華なステンドグラス。子ども曰く、芸術家の手による一品もの、らしい。 巨大な十五階建てのドールハウス。たぶんこれは白鷹の城をそのまんまモデルにしてる...
「エリク。エリクや」 白髪の三つ編み、白髭ぼうぼうの俺のお師匠さまが、黒き衣の袖をひらひらさせて手招きする。 目が二つの山になってて、口はゆるやかな谷。 「あー、お帰りなさい、お師匠さま」 警戒しながら俺は頭を下げた。 ……やばい。 この表情...