【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑱
- カテゴリ: 自作小説
- 2025/04/27 00:17:04
その日の夜、美鈴から私に電話があった。「もしもし、望。」私は、夜遅くの電話にビックリした。「美鈴!大丈夫なの?」私の心配をよそに、美鈴は、明るい声で話し始めた。「今日はありがとう。」「望が私の妊娠のこと、三上先生に伝えてくれたから、三上先生が家まで来てくれたの。」「そして、赤ちゃん産んで欲しいって...
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その日の夜、美鈴から私に電話があった。「もしもし、望。」私は、夜遅くの電話にビックリした。「美鈴!大丈夫なの?」私の心配をよそに、美鈴は、明るい声で話し始めた。「今日はありがとう。」「望が私の妊娠のこと、三上先生に伝えてくれたから、三上先生が家まで来てくれたの。」「そして、赤ちゃん産んで欲しいって...
美鈴のお父さんが帰ってきた。美鈴のお父さんは、応接室で待っていた三上先生を見ても驚く様子はなかった。「君は、誰だね?」美鈴のお父さんは、威圧するように聞いてきた。
「美鈴さんのクラスの科学の授業を受け持っている三上進と申します。」「美鈴さんのお腹の中の赤ちゃんの父親です。」三上先生はお母さんにした...
――――美鈴の家
ピンポン!ピンポン!ドンドン!ドンドン!三上先生は必死で呼び鈴を鳴らしてドアを叩いた。びっくりした美鈴のお母さんはインターホーン越しに対応した。「どちら様ですか?」美鈴のお母さんの言葉で我に返った三上先生は、インターホーン越しに自己紹介をした。「美鈴さんのクラスの科学の授業を受け...
10月
美鈴が一週間、学校を休んだ。欠席の理由はコロナだったけど、LINEしても、電話しても、本当の理由をはっきり言わない美鈴。心配になった私は、美鈴に会いに行った。美鈴のお母さんが美鈴の部屋に通してくれた。「ママ、望とふたりにして...」そこには、やつれて憔悴した姿の美鈴がいた。私は、びっくりし...
二学期
私は放課後、社会科準備室に行った。
コンコン
「失礼します。」
部屋の中には、水原先生だけだった。ラッキー♡「おっ、井上、どうしたんだい?」水原先生は、教材の整理をしていたみたいで、両手いっぱいに本やプリントを持っていた。
まだ暑さの残る9月夕陽が赤い影を落とす。
私は勇気を振り絞って告白...