風に寄せて…… 或る星の夜に
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/06/30 07:50:01
きみは おぼえてゐるか
草原(くさはら)のうへに あふれた スターダスト
僕らは ひとすぢの風を びよせて
やはらかな夢を みてゐた空には とほい 星のまたたきが
つめたい夜露を なみだにかへて
風はどこからともなく ささやき
僕らの肩を そつと つつんでくれたしあはせは いつも ここにあつた
山の...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
きみは おぼえてゐるか
草原(くさはら)のうへに あふれた スターダスト
僕らは ひとすぢの風を びよせて
やはらかな夢を みてゐた空には とほい 星のまたたきが
つめたい夜露を なみだにかへて
風はどこからともなく ささやき
僕らの肩を そつと つつんでくれたしあはせは いつも ここにあつた
山の...
波止場のスピーカーから零れる、不協和音。
セロニアス・モンクの『Round Midnight』が、冷たい霧を切り裂いていく。
すべてを失った「俺」は、一人の老人の贖罪を背負い、
十何年ぶりに、潮風に朽ちていく故郷の港町へと降り立った。背中に触れた、旧友の巻尺(メジャー)の冷たさを思い出す。
「よせ、...
天動説のように重く、不揃いな足音が響く。
セロニアス・モンクのピアノが、錆びついた波止場のスピーカーから零れていた。
不協和音。それはこの寂れた港町に、あまりにもよく似合う。霧が、安物のトレンチコートを濡らしていく。
タバコに火をつけたが、海の湿気ですぐに消えた。
誰もいない倉庫街。
行き場を失った...
激しい雨だった。
まるで、僕という人間の生涯そのものが、天に溢れて、この薄汚れた〇〇の街を洗い流そうと企んでいるかのように。僕は一日中、安宿の、湿った青畳の上に寝転び、ただ死んだ真似をしていた。
胸をかきむしるような恥羞(ちしゅう)と、おそるべき恐怖。
僕には、幸福になる資格など、はじめから無かった...
ああ、ひどい雨だった。
まるで僕のくだらない自意識が、
空いっぱいに溢れ出て、
街中をめちゃくちゃに汚してしまったみたいに。トタン屋根を叩く執拗な雨音に、
僕は毛布を頭からかぶって、
ただ、じっと死んだ真似をしていたのだ。
「幸福なんて、僕には似合わない」
そう呟くことだけが、
僕の唯一の、みじめな...