愛することは、罪を犯すことだ。
神の定めた正しい舗道(ほどう)を外れ、
二人だけの暗い沼地へ、手を取り合って沈んでゆくことだ。「あなたを愛しています」
その一言は、世界に対する宣戦布告。
誰かを幸福にする愛の裏には、必ず、
見捨てられ、泣いている誰かの影がある。
私たちの幸福は、他人の不幸の瓦礫(が...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
愛することは、罪を犯すことだ。
神の定めた正しい舗道(ほどう)を外れ、
二人だけの暗い沼地へ、手を取り合って沈んでゆくことだ。「あなたを愛しています」
その一言は、世界に対する宣戦布告。
誰かを幸福にする愛の裏には、必ず、
見捨てられ、泣いている誰かの影がある。
私たちの幸福は、他人の不幸の瓦礫(が...
恋愛は事欠かない罪悪。
私たちは、お互いの寂しさを埋めるためだけに、
何度でも、その甘い地獄の門をくぐる。男のくせに色白で、若くもないこの美貌が、
またしても誰かの人生を狂わせ、私自身の首を絞める。
愛し、愛されるたびに、
私の魂は、さらに薄汚れていくというのに。世間はそれを「不道徳」と呼び、私たち...
若くもないのに美貌が、残っている。
それは幸福ではなく、むしろ、神が回収し忘れた
酷な手土産のようで、私はただ、途方に暮れる。若さという免罪符は、とうに失くした。
それなのに、鏡のなかの顔だけが、
いまだに、かつての華やかな罪の匂いを放っている。
まるで、とっくに枯れたはずの庭園に、
一輪だけ、毒々...
男のくせに色白と美貌。
世間はそれを、贅沢な生まれつきと呼ぶ。
けれど私にとっては、皮膚の一枚下で、
じっと私を睨みつけている、冷酷な鬼の顔にすぎない。男らしく、泥にまみれて生きることもできず、
ただ青白い、透き通るような手を見つめている。
この指は、重い鉄槌を握るためではなく、
ただ自らの破滅を、...
鏡をのぞけば、そこに居るのは
見知らぬ他人のような、恐ろしいまでの美(み)づら。
それは神の悪戯か、それとも母の胎内で受けた
ひとつの赦されぬ呪いであったか。誰もが私を振り返る。
街のカフェテラスで、吹き抜ける風のなかで、
その視線は私の肩にとまり、肌をなで、
やがて私の胸の奥にある、小さな暗い空洞...