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もう どこへもゆくことができない
深いみどりは 夜の底のように暗く
ぼくのからだを つめたく包みこむ
ここは 光のわすれていった終着駅耳をすましても 風の音さえ絶えはてて
ただ ぼくの胸のふるえだけが響いている
すべては失われ すべてのひとは去り
ぼくはひとり 生きる形をなくしていた2
霧のむこ...
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もう どこへもゆくことができない
深いみどりは 夜の底のように暗く
ぼくのからだを つめたく包みこむ
ここは 光のわすれていった終着駅耳をすましても 風の音さえ絶えはてて
ただ ぼくの胸のふるえだけが響いている
すべては失われ すべてのひとは去り
ぼくはひとり 生きる形をなくしていた2
霧のむこ...
★昭和初期の文語調の文体で★
それは誰が遺せしやさしき夢の跡ならむ
草の葉のうしろにて ひそかにささやき交はす夜
森の梢はそよぎ あはき薔薇いろの月は
しづかに澄める空を わたりゆくなり森の奥の 見知らぬ小さきくぼみには
名もなき白き花の ひっそりと咲きてあれ
あわき紅の月ひかりを浴びて
その花びら...
森の奥の 見知らぬ小さなくぼみで
名もない白い花がひっそりと咲いている
あわい紅いろの月のひかりを浴びて
その花びらは まるで夢のようにふるえている梢のやみでは 一羽の小鳥が
あたたかい夜の風に かすかにつぶやく
あれは失われた季節をなつかしむうたか
それとも 明日の旅立ちを告げるおとずれか私たちは...
それは誰が残したともしれぬやさしい夢のあと
草の葉のうしろで ひそやかにささやく夜
森の梢はそよぎ あわい薔薇いろの月は
しづかに澄んだ空をわたつてゆくもう帰ることのない日々の美しい面影を
このみづみづしい光がふたたび照らしだす
風はかなしげに木々のあいだを吹きぬけ
私はただ立ちつくして みつめてい...
低音の鍵盤が、ぽつり、ぽつりと、夜の深さを刻むように鳴る。
それはまるで、暗い水面に落ちる雨のしずくのようだ。右手がそっと、高い音を拾い上げる。
かすかで、消え入りそうな、ひとつの旋律。
ペダルを踏み込んだままの、長い残響が、部屋のなかに白い霧のように広がっていく。激しい和音はない。
ただ、音と音の...