雑文「ソウル・ボックス」
- カテゴリ: 小説/詩
- 2008/11/08 00:20:11
はじめて暗闇が怖いと感じたのはいつだったろう
密閉された空間の中でふと目覚めたとき
あたしはひとりで暗闇の中にいた
手探りで母の姿を探す。
目が慣れてきたらそこが車内だとわかったけど
どうして自分がこんなところで寝ているのか思い出せない
「おかあさん」と呼ぼうとするが言葉がつまって声...
コインの半分は優しさからできてます ・:*・゚☆
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(koharu*HP)
はじめて暗闇が怖いと感じたのはいつだったろう
密閉された空間の中でふと目覚めたとき
あたしはひとりで暗闇の中にいた
手探りで母の姿を探す。
目が慣れてきたらそこが車内だとわかったけど
どうして自分がこんなところで寝ているのか思い出せない
「おかあさん」と呼ぼうとするが言葉がつまって声...
窓の外を見ていた
雪がちらほらと舞いはじめた初冬の空を
外の寒さなんて、届かないほど遠い暖かい場所から
雪景色が見たかった
もう何年も見てないような気がした
だけど、舞い落ちる雪はまだ生まれたてで
地表にたどり着く前に儚く消えた
雪景色が...
気が付けば海に来ていた
海原から吹いて来る強い風に
しっかりと足を踏ん張って
自分の哀しみがどこから来てるのか
そんなことさえ見失っていた時に
寄せては返す
波の波紋は
僕の哀しみとは別のところにある
なのにどうしてこんなにも
見ているだ...
君が泣いていたら
僕が涙を拭いてあげたい
その涙が
たとえ誰かを思って流されてるとしても
触れたら壊れそうだったから
君が暗い夜に怯えないようにと
ただ祈る事しか出来なかった
それでも、やっぱり思ってるだけじゃ苦しくて
僕は何度も君に呼びかける...
思い出はときおりにわか雨のようにやってきて
濡れたアスファルトのように心を黒く染める。
だけど過去に捉われ傷付いているなんて
不毛だ。無意味だ。滑稽だ。
過去は変えられない。ただじっとそこにある。
死んだ人はずっと死んだままだし
去った恋人は戻っては来ない...