潮騒と蓄音機のともしび
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/06/05 05:15:55
壁のひび割れから零れ落ちた
微かな光の粒子たちは
いつしか部屋を満たすプラネタリウム針がそっと溝をなぞれば
蓄音機からあふれ出す
セピア色の静かな音楽開け放した窓からは
寄せては返す波の音が
柔らかな低音(ベース)のように響いている
海と音楽が溶け合うこの部屋で
私たちは毛布を分け合い、ただ耳を澄ま...
壁のひび割れから零れ落ちた
微かな光の粒子たちは
いつしか部屋を満たすプラネタリウム針がそっと溝をなぞれば
蓄音機からあふれ出す
セピア色の静かな音楽開け放した窓からは
寄せては返す波の音が
柔らかな低音(ベース)のように響いている
海と音楽が溶け合うこの部屋で
私たちは毛布を分け合い、ただ耳を澄ま...
壁のひび割れから零れ落ちた
微かな光の粒子たちは
いつしか部屋を満たすプラネタリウムその光の海を泳ぐように
古いレコードから零れだす
名前も知らない静かな音楽ピアノの単音がひとつ、ぽつりと爆ぜて
暗闇に新しい星座を描き出す
チェロの低い震えは
そっと部屋の床を毛布のように浸していく言葉をなくした私た...
きらきらと輝く
言葉の箔を全身にまとい
あなたは今日も
誰かのための正論を歌う耳に心地よいその節回し
誰も傷つけないその建前
まるで美しく仕上がった
工芸品のショーケースけれど
少し風が吹けば
あなたの言葉はかるく乾いた音を立てる
中身のない
張り子のカラスのように「私たちは」「社会は」「未来は」
...
一
青いあざみの 咲く径(みち)を
おまへとふたり 歩いた日
木漏れ日はただ やさしくて
僕らの影を ひとつに揺らしたあなたの髪の かすかなにほひ
忘れたくない こゑのひびき
たとえ季節が すぎてゆくとも
この高原の 風は消えない二
しづかな夜の しづくのなかに
おまへのなみだを 僕は見た
何も言は...
一
かなしみを知らない おまへの瞳に
みどりの木陰の ひかりが躍る
それは僕たちが いつか夢みた
いちばん新しい 朝のしらべだおまへの頬を なでてゆく風は
わづかな涙も つばさに乗せて
青いあざみの ひらく野原へ
やさしいにほひを 運んでゆくだらう二
もう冷たい夜は ここにはなくて
窓をあければ 光...