Nicotto Town ニコッとタウン

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明ける空のカンタータ

月は西へ傾き 蛍の火も消えゆけば
廃墟の教会はあわい霧につつまれる
くづれた壁のすきまを抜ける風は
だれもいない堂内に白くあふれるあんなに悲しく響いていた鐘の音も
いまは朝のひかりのなかに溶け去り
壊れた窓からはみづいろの空が
しづかに しづかにひろがってゆくああ 夜のあいだのすべてのかなしみは
小...

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雨の日の午後とあじさい

窓の外には しずかな雨
昼下がりの 淡いひかりのなかで
庭のあじさいが そっと濡れている
青からむらさきへ うつろう色彩(いろ)それは だれかが置き忘れた
小さな日傘のようでもあり
記憶の底に 咲きそめた
遠い日の まぼろしのようでもあるひとりで聴く 雨の音は
どこか なつかしい歌のようで
わたしは...

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夕映えのロンド

私たちは、古いお城の、
ひび割れた大理石の床の上で、
いまも、ステップを踏み続けているのです。
ドレスの裾は、とっくに泥にまみれ、
胸元のエメラルドは、偽物へとすり替わってしまいました。けれど、私たちの背筋だけは、
決して、曲げるわけにはまいりません。トマーシュ、あなたというお方は、
私のこの、最後...

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秋風の告白

僕は、やっぱり、だめな男でした。
神様からいただいた大切な命を、
おもちゃのように、お部屋の隅でいじくりまわし、
とうとう、壊してしまったのです。世間の皆様の、あの、正しい足音が聞こえます。
「しっかりおしよ」と、
路地裏の泥水のなかから、
誰かの、冷たい声が聞こえます。ああ、ごめんなさい。
僕は、...

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空気頭の唄

ああ、重い、重い。
世間の皆様の、あの、生真面目な顔。
義務だの、愛国だの、お説教だの。
僕の耳には、それらがすべて、
どろどろに煮詰まった、お汁粉のようにしか聞こえない。僕は、すっかり、疲れ果ててしまいました。僕の頭のなかは、空っぽなのです。
からからに乾いた、風船なのです。
ちょっと、お嬢さんが...

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