井上靖「氷壁」感想ネタバレあり・4
- カテゴリ: 小説/詩
- 2020/06/12 14:35:37
井上靖「氷壁」感想ネタバレあり・3からの続き
しかし、美那子への思いを絶った直後にかおると会い、気持ちが変わっていく。かおるが見せた、魚津が美那子に未練があるなら諦めると言った潔さに、魚津はかおるを女性としてではなく、死んだ小坂に代わる「バディ(相棒)」を見出すのだ。
もちろん、結婚するからには、夫...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
井上靖「氷壁」感想ネタバレあり・3からの続き
しかし、美那子への思いを絶った直後にかおると会い、気持ちが変わっていく。かおるが見せた、魚津が美那子に未練があるなら諦めると言った潔さに、魚津はかおるを女性としてではなく、死んだ小坂に代わる「バディ(相棒)」を見出すのだ。
もちろん、結婚するからには、夫...
井上靖「氷壁」感想ネタバレあり、考察。
山岳小説に興味を持つ人は、「なぜ人は山に登るのか」という疑問の答えを作品に探すだろう。登山は危険だ。まして冬山なら、死のリスクは高まる。どんな登山家でも、冬の山で遭難死している。氷壁には、井上靖流の答えが、魚津の死後、常盤の演説を通して述べられている。「山を征...
井上靖「氷壁」感想ネタバレあり・1 あらすじの続き
あまりに会社を休むので、常盤のはからいで嘱託として再就職した魚津。暇になった時間を利用して、小坂の実家におくやみのあいさつに行ったり、美那子やかおると会ったりする。小坂の遺体から見つかったザイルの再検証が行われた。切れたのはショックで伸び切って耐え...
登場人物紹介。(本作品は昭和38年に発行されたものである)
●魚津恭太 東京の商社マン兼、登山家。30代。真面目な熱血漢でイケメンだが、年に数回行く登山に金がかかって万年金欠病。友人知人に借金しまくっている。義理堅い性格なので、返済に滞っていることはないが、返済のために会社から給料を前借りしているた...
イサの氾濫は、青森県出身作家の木村裕佑氏が東日本大震災の年に雑誌すばるで発表した作品である。
あの年ほど、付和雷同という言葉がぴったり合う年もなかった。
みんなで口をそろえて「頑張ろう東北」と言い、各地でひんぱんに募金活動も行われ、義捐金の額は記録的な数字になった。
イサの氾濫は、そんな世の中に...