Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

過去 の話_消えない光

母は、二つの過酷な敵と戦い抜きました。
ひとつは体を蝕む病、もうひとつは記憶を奪い去る病です。記憶が薄れ、言葉が消えていく日々の中で、母は私たちが知っていた「かつての姿」を少しずつ手放していきました。
けれど、最後まで奪われなかったものがあります。
それは、生きて、ここに在り続けようとした、母の魂の...

>> 続きを読む


さよならの対価

冷たい雨のなか、お待たせして申し訳ありません。
ここであなたと向き合うのも、これが最後になりますね。傘は差さないでください。
あなたの美しい横顔が、雨粒で滲んでしまうのは忍びないですが、
今の私には、その涙を拭う資格さえ残されていないのです。思えば、随分と遠いところまでご一緒してしまいました。
あな...

>> 続きを読む


モッコウバラに寄せて

風が どこからか運んできた
優しい ひそやかな 光のつぶ
それは 生垣をあふれるように
うす黄色の 小さな波となってあなたは 誰を待っているのか
棘のない しなやかな枝をのばし
午後の しずかな日だまりのなかで
あんなに 無邪気に わらっているあぁ 僕の心の 古い窓辺にも
こんな風に 花が咲いた日が...

>> 続きを読む


窓に寄せて

風が あんなに優しく
僕の部屋の窓を 叩いています
淡い光を透かした うすい絹のように
それは 春という名前の 見知らぬ訪問者です僕は 机の上の書きかけの詩を
風の吹くままに 委ねてみようと思います
風は 遠い山々の 冷たい雪の記憶と
まだ見ぬ野原の 若草の歌を 運んできてくれるああ 昨日までの僕の...

>> 続きを読む


恥多き風

あ、風。春の風でございます。
なんて意地悪で、お節介な風なのでしょう。
窓を開けた途端、私の部屋に溜まった、あの古臭い憂鬱を、ひょいと攫っていこうとするのです。「もう春ですよ。外へ出なさい」
そう囁く風の指先は、不躾なほどに温かく、私の怠惰な頬を撫でまわします。
庭の桜の蕾を、あんなにせっかちに揺り...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.