自作6月 告白「占いの館 後編」
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/06/30 23:41:10
なんてこったい。あたしはあんたに、こんな占い小屋に来るんじゃなくて、神殿に行って懺悔しろと言うつもりだったんだがねえ。 まさかこんな、突拍子もないことを聞くことになろうとは。 百年近く生きてきて、こんなにびっくりしたことは初めてだよ。「俺はどうしても過去へ……戻らないと...
なんてこったい。あたしはあんたに、こんな占い小屋に来るんじゃなくて、神殿に行って懺悔しろと言うつもりだったんだがねえ。 まさかこんな、突拍子もないことを聞くことになろうとは。 百年近く生きてきて、こんなにびっくりしたことは初めてだよ。「俺はどうしても過去へ……戻らないと...
おや、こんばんは。こんな夜更けにお客さんとは。店仕舞いの看板が見えなかったかい? やっぱり入り口にランプを下げるべきかねえ。 まあまあ、せっかく入って来たんだ、そこに座るがいいさ、赤毛のお兄さん。 ずいぶんおどろおどろしい形の椅子だって? 怖がることはない、ただの木彫りだよ。骸骨も悪魔も、あ...
(エメラルドさんのコッペリアエピソードからの続きということで。)
「narcisse」 その時――
漆黒の闇に沈む館に、来客を告げる歌声が鳴り響いた。 それは厳かなる鐘の音。黒衣の門番が鳴らすものである。 この館は茨の形をした鉄柵に囲まれており、唯一開くところ、すなわち鉄の薔薇が咲き誇る門のそばに...
『ぷはー!』 あああ、おいしかったー! さて、ずいぶん食べさせていただきましたが、残すはあとひとりですね。くふふ。 おびえて壁にすがりつく最後のひとり。赤毛の男に、私はずずずと近づきました。「く、くるな。頼む。来ないでくれ。みんなをどこへ連れて行ったんだ」『ああたんに、わかりやすく隣の牢屋に隔離し...
「私」たちは不思議な意気投合をしながら、街道を西へ西へ向かう馬車に揺られました。 エティアの王都に入りますと、「私」たちはいったんばらけました。「待ち合わせは今夜、王宮の裏口で」「それまで元気で」「あなたも元気で」「無事、務めを果たしましょう」「ええ、務めを」 務め? それは一体なんでし...