自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・169
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/04/08 15:09:18
太陽はわずかに西へ向かっているが、まだ日は高い。雪は容赦なく陽光を針と化し、ロラン達の目を突く。ロランはロトの兜のまびさしを下げ、ランドはゴーグルを下ろし、ルナはフードをなるべく目深にかぶって照り返しを防ぎながら歩いた。
太陽があるせいで、寒さは歩いていると気にならなかった。むしろ軽く汗ばむほど...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
太陽はわずかに西へ向かっているが、まだ日は高い。雪は容赦なく陽光を針と化し、ロラン達の目を突く。ロランはロトの兜のまびさしを下げ、ランドはゴーグルを下ろし、ルナはフードをなるべく目深にかぶって照り返しを防ぎながら歩いた。
太陽があるせいで、寒さは歩いていると気にならなかった。むしろ軽く汗ばむほど...
第4章 神々の庭
【天と地の境で】
群青の空の下、ローブ姿の集団が雪原を歩いていた。先頭を行くのは、背が高く容貌も際立った若い男である。
雪原を渡る凍てついた風に、男の肩まで届く黒髪がなびいた。しかし白皙のおもてに揺らぎはなく、金色の瞳はひたすら前を見すえている。荷物らしきものといえば、右...
ロランの胸がゆっくりと膨らみ、長く息を吐き出す音を、ルナは緊張して聞いていた。やがてロランのまぶたがわずかに震え、まばたきを繰り返す。
「……僕は……」
「……ロラン!」
本当に生き返ったのだ。ルナは横たわったま...
ルナはランドの胸の内を探るように見つめてきた。一瞬の疑いは確信に変わり、だが、どこかとがめるような目で。
「あなた……使えるのね? 死者を蘇らせるザオリクの呪文を」
ランドは小さくうなずいた。
「そう、だから……なのね」
ルナは言いかけ、...
「ああっ……」
ルナはがくがくと震えていた。最悪の事態が起こっている。だが頭がそれを認めたがらないでいた。
傍らではランドも短い息をしながら震えていた。脂汗が目元を伝う。キラーマシンは倒れたロランを無視し、こちらへ歩み寄ってきた。淡々とこちらへ歩み寄る金属の足音は、恐...