自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・154
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/03/05 11:10:31
「すべての戦いが終わったら、あの宝を運び出した方がいいかもしれないな」
「ああ、オークキングの?」
察しのいいランドに、ロランは微笑みかける。
「うん。あれは長年かけて、オーク達が人々から奪ったものだし……あれだけあれば、邪教団に襲撃された村とかも再建できそうだろ?」
...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「すべての戦いが終わったら、あの宝を運び出した方がいいかもしれないな」
「ああ、オークキングの?」
察しのいいランドに、ロランは微笑みかける。
「うん。あれは長年かけて、オーク達が人々から奪ったものだし……あれだけあれば、邪教団に襲撃された村とかも再建できそうだろ?」
...
【最後の航海】
冬の日差しは、真昼でもどこか薄暗い。
ローレシア城入り口に立つ若き衛兵は、いつもと代わり映えしない城下の街並みを眺めながら、早く春が来ないかと思っていた。
比較的温暖なローレシア地方とはいえ、厳寒期の寒さはムーンブルク地方を上回る。ハーゴンに従う邪教徒の集団に村を襲われ、命か...
「遅いッ!!!」
聖なる祠を守る壮年の賢者は、上品な顔を憤怒に染めて勇者の子孫3人へ怒鳴った。ロラン達は身を縮めて、素直に叱責に耐えるしかなかった。
ロトの鎧を入手したロラン達は、ロンダルキア登頂をいったん中断し、ランドのリレミトの呪文で洞窟を出ると、真っ先にルプガナへルーラで飛んだ。
そして...
「よかった、無事で……」
たおやかな手で、ルナは鎧の肩当てをなでた。ランドが嬉々としてロランを見る。
「ねえロラン、さっそく着けてみなよ!」
「えっ、今か?」
「そうだよ、せっかく見つけたんだしさ」
「そうね、私も見たいわ。ロランが身に着けたところ」
二人に見つめられ...
オークキングの槍がロランの右肩をかすった。真空波が生じ、ロランの頬を切り裂く。辛うじて顔を逸らし、浅い傷で済んだ。もし逸らすのが遅れていたら、顎の骨まで切り裂かれていただろう。
「はあっ!」
相手の攻撃が終わった直後を見計らい、ロランは跳躍してロトの剣を振り下ろした。巨体相手のため、急所に斬りつ...