銀の狐金の蛇26 「死神」(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/02/22 19:40:27
たしかにそういう夢は見た。ユインの邑(むら)で水の発破が起こった後に。しかしあれは現実のことではない。実際に生前の師が言ったものではないはずである。
「そ、それは、ゆ、夢で見たもので……」
「夢は、自分で見るだけじゃない。他の人にも贈れるものだろ?」
「あ&hellip...
たしかにそういう夢は見た。ユインの邑(むら)で水の発破が起こった後に。しかしあれは現実のことではない。実際に生前の師が言ったものではないはずである。
「そ、それは、ゆ、夢で見たもので……」
「夢は、自分で見るだけじゃない。他の人にも贈れるものだろ?」
「あ&hellip...
前回、胸にずさーっと装置の棘が刺さり、死んでしまったソムさん。どうなる……******************
この浮遊感はなんだろう。
おそるおそる、下を見る。
足元に広がっているのは、一面銀色の平面。
まったいらで、なめらかで、さざなみひとつない。
(これは...
「おまえのせいだ!」
家の敷地に入るなり。おれはおじさんにぶんなぐられた。
「ロミナはおまえとの結婚のために銀狐の毛皮をとりにいった! そんでグライクライにやられちまった!」
銀狐はめずらしい生き物だ。その毛皮はおそろしい価値がある。ロミナはおれにそいつのえりまきを贈ると言...
人は死ぬ瞬間に変なまぼろしを見るという。 生まれた時から今までのことを一瞬で、すべて思い出すのだそうだ。
それは一秒にも足らず、一度だけまばたきする間のこと。
そうしてああすればよかったこうすればよかったと後悔しているうちに、魂がすぽんと抜けて、天へ昇ってしまうらしい。
「見えましたか?」...
翁の神官は吠え猛った。目をギラつかせ、年輪刻んだ顔に筋をたてながら。
「わしはまず、いにしえのユインの王にならい、このトゥーに足りぬものを捧げて崇めた。若君の腕。メイメイの足。そしてフオヤンの首! そう、あなた様の御子らが体の一部を失うたのは、ハオ婆の呪いのせいではない。このわしがトゥーを崇め奉る...