自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・149
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/02/12 09:54:18
声は、猪がうなる声に似ていた。がちゃがちゃと杯が鳴り合う音もする。強い獣臭に鼻を突く悪臭に酒精が漂い、肉を焦がした臭気も混ざり合って、胃がひっくり返そうになる。ロラン達はとっさに口と鼻を片手で覆っていた。死臭とはまた違ってひどい臭いだ。
「……オークの群れだ!」
階段...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
声は、猪がうなる声に似ていた。がちゃがちゃと杯が鳴り合う音もする。強い獣臭に鼻を突く悪臭に酒精が漂い、肉を焦がした臭気も混ざり合って、胃がひっくり返そうになる。ロラン達はとっさに口と鼻を片手で覆っていた。死臭とはまた違ってひどい臭いだ。
「……オークの群れだ!」
階段...
【巨猪の王】
長い階段をのぼって3階に上がると、洞内に詰まっていた死臭が薄くなった。
死肉や血液、臓腑、糞尿が混ざり合って腐りゆく臭い。それを初めて嗅いだのは、滅ぼされたムーンブルク城でのことだった。
吸うと鼻腔や肺に突き刺さり、腹に鉛のように溜まって染みこんでしまうような、重苦しい臭気だ。...
「……さっき、そこから入ってきただろう? ほら、その右手の」
「そうかしら? この戦いで、私達、結構動き回ってたわよ。位置がずれたかも……」
「まさか……」
ロランは、もと来た方だと思われる出入り口を見た。まあまあ...
【鏡合わせの回廊】
1階に戻ると、そこからすぐ北側に上り階段を発見した。迷宮の多くは正しい順路が遠回りに造られているものだが、まず目に付いた階段から行くことにする。
上っている間、ロラン達は無言だった。
地下1階で出会った男の話が、ずっと頭の中で繰り返されているのだ。
ハーゴンが破壊神への...
「私のほかに、大勢の人がいました。魔物は雪の上に私達を下ろすと、ハーゴン様の神殿まで歩けと言いました。みんな薄着で、厳しい寒さの中を歩くなんてできないと泣きましたが、魔物は人が苦しむのを見るのが楽しみなのです……」
「……ひどい」
ランドがぽ...