銀の狐金の蛇25 運命の刻 (前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/01/23 09:05:43
「キッテ」
恐ろしい言葉と裏腹に、その声は実にあどけなく。白子の顔はにこにこしていた。 弟子を押さえ込むソムニウスも、抱きしめられる弟子も、そして刀で管を切り離そうとした士長も、みな息を呑んで身を固くした。 「ゴメンナサイ」
無邪気な笑みを浮かべたまま、白子はさらに、思いもかけぬことを口にした...
「キッテ」
恐ろしい言葉と裏腹に、その声は実にあどけなく。白子の顔はにこにこしていた。 弟子を押さえ込むソムニウスも、抱きしめられる弟子も、そして刀で管を切り離そうとした士長も、みな息を呑んで身を固くした。 「ゴメンナサイ」
無邪気な笑みを浮かべたまま、白子はさらに、思いもかけぬことを口にした...
ふん。いかな神獣とはいえ、この大きさ。そこらへんの犬と変わらない。 だから韻律ひとつでこの通り、化けの皮が剥がれる。あっけないことね。 クリストくんがあたふたうろたえる。なぜなら、黄金色のドレスから一瞬中身が無くなったように見えたから。私が勢い良くドレスを掴んで取り去ると、そこにはしっぽを巻いた金...
ビロードのような黒い毛皮が艶めかしく光る。すべらかな毛皮をまとったそれが、鞭のような尻尾をぱしりとひと打ち。口をくわりと開けてあくびをした。かいま見えるのは、鋭い牙。 ふふ。噛みつかれたら痛そうね。 分厚いギヤマンが嵌まった窓辺に寝そべって、なんて気持ちよさそうなのかしら。書庫の本を害獣にかじられ...
迷いこんだのは薔薇園だった。
誰かの白い手が髪を撫でたとたん、深海はまっさおな薔薇に変わってしまった。あざやかな咲き姿、そのいくえもの花弁の奥にひそむ享楽、そして寂しさ。ずっとここにおいで、と誰かが言った。 #薔薇園へようこそhttps://shindanmaker.com/763378&...
「ジェニス! 許して! お願い許して! ごめんなさい! ごめんなさいっ……!」
その瞬間。
師の腕がティリンの手を掴んで地に引き下ろし。黒い衣の胸の内に、泣きじゃくる子をうずめた。 光る蝶たちがパッと周囲に飛び散り、群れ成して空へどんどん昇っていく。 師は目を細め、ひ...