Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・144

【命の紋章】

 闇の中は濃い死臭に満ちていた。空気は淀んで冷たく、骨の芯から凍りつきそうな冷気が漂っている。ランドが灯明の魔法を使って、ルナのいかずちの杖の先に広範囲を照らす灯りをともしたが、闇はなお深く、先を見通すことはできない。
 ロンダルキア台地の胎内は、床も壁も整然と整えられていた。広い空...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・143

 ロラン達は半日かけて深い森を抜けた。木々の隙間から見えていた青空は次第に曇り、盆地に広がる枯れた平原を薄暗く見せていた。
 盆地の周囲は峻厳な岩山に囲まれている。ロラン達から北側にひときわ高くそびえる山々が、目指すロンダルキア台地だ。
 3人は表情を厳しくし、無言でさらに西へと急いだ。やがて平原が...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・142

 結界を抜けると、薄暗い小部屋に青白い光の渦があった。これが、かつてハーゴンが開いたという旅の扉だ。
「行くぞ……」
 ロランは二人を振り返る。ランドとルナはうなずき返した。ロランは息を吸いこみ、旅の扉に足を踏み入れた。
 軽く目が回るような感覚がした瞬間、薄暗い堂内に立...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・141

【魔界の門】

 ベラヌール監獄は、朝日に輝く湖を背に堅牢な姿を見せていた。ロラン達が門衛に近づくと、彼らは無言で道を空けた。町を治める法王ハミルトに言い含められているためだ。
 ハミルトは、ロラン達がハーゴンに近づく手がかりを探すためにベラヌールの町や施設を探索することを認め、決して邪魔だてしない...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・140

 船は茫漠とした白い空間に浮かんでいた。
(ここは……)
 ロランは甲板の上で、ぼんやりとあたりを見回した。濃密な乳色の靄(もや)が広がり、かすかな波の音でどこかの海上だと気づく。
 朝日が世界に色彩をもたらす直前の、無のような白の時間帯だった。
 ロラン達は誰ともなくそ...

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