自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・136
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/11/25 14:21:24
だが、洞窟は予想以上に複雑な構造を成していた。いくつもの分かれ道と広大な空間に点在する下への階段に惑わされ、やっとたどり着いた地下4階には、さらに広い溶岩の海があった。
「もし地獄があるんだとしたら……ここかな……」
疲弊した顔で、ランドが...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
だが、洞窟は予想以上に複雑な構造を成していた。いくつもの分かれ道と広大な空間に点在する下への階段に惑わされ、やっとたどり着いた地下4階には、さらに広い溶岩の海があった。
「もし地獄があるんだとしたら……ここかな……」
疲弊した顔で、ランドが...
勾配を下るにつれて熱気はひどくなってきた。入り口付近にもうもうと立ちこめていた湯気は程なくして消え、皮膚が剥けそうな熱波に変わる。真っ暗な隧道(ずいどう)の先に、鮮やかな橙色の光が照り返している。
「これは……」
「溶岩、だね」
降りた先は、灼熱の川が流れる広大な空間...
【海底洞窟】
氷雪に閉ざされた静寂の地。そこに立つ双塔を揺るがすのは巨獣の咆哮だ。
ハーゴンの神殿の、どことも知れぬ大広間で、赤銅色の巨人アトラスが吠えていた。四肢を壁と床から伸びる棘付きの枷で戒められ、鎖を引きちぎろうと暴れ狂っている。
おおん、おおんと絶え間なく咆哮が響く中、魔神バズズと...
その日は、羽衣が仕立て直されるまで、村の湖畔を散策しながらのんびりと過ごした。
夕方の刻限にモハメを訪ねると、約束通り、見事なケープに直されていた。丈はルナのふくらはぎまでで、首元に金の留め金をあしらっていた。
「あの、お礼を……」
「いらん」
ロランが財布を出そう...
【水の羽衣】
月のかけらを手に入れたロラン達は、ルーラでテパの村へと戻った。その晩は宿に一泊して疲れを取り、翌朝、モハメの家を訪ねた。約束の日まで1日余裕があったが、様子だけでも知りたかったのだ。
「ごめんください」
家の前で、ロランはそっと呼びかけた。仕事中かもしれないので、静かに戸をたたく...