自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・126
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/11/14 11:09:06
悪魔神官デモニスとの戦いで愛用の鉄の槍を折られたランドは、ローレシア王から光の剣を譲られていた。
光の剣は、人が作り出せる武器の最高峰だ。ペルポイの町にも売られていたが、値段も相まって、所持する者は世界にわずかしかいないだろう。
先の戦いにおいて、ランドもまたロトの剣を振るうことがあった。今ま...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
悪魔神官デモニスとの戦いで愛用の鉄の槍を折られたランドは、ローレシア王から光の剣を譲られていた。
光の剣は、人が作り出せる武器の最高峰だ。ペルポイの町にも売られていたが、値段も相まって、所持する者は世界にわずかしかいないだろう。
先の戦いにおいて、ランドもまたロトの剣を振るうことがあった。今ま...
【北のお告げ所】
船は藍色の海を進んでいた。冷たい風を首筋に受け、ランドがううっと肩をすくめる。
「本格的に秋だねえ。ロンダルキアも寒い所だっていうし、全員分のコートが要るね。山越えの準備もしなきゃ」
「そうだな。どこかで調達しよう」
甲板でランドと並び、水平線を眺めていたロランも、本当に寒...
「父上」
食事が済むと、ロランは父を呼び止めた。
「少し、お話が……」
「うむ、わしもそうしたいと思っていたところだ」
目が合うと、父はそう言ってうなずいた。ランドは、気を利かせて客室へ戻っていった。
王の居室にある露台で、ロランは父と共にローレシア城下町を眺めた。...
【ロトの印】
ルナは落ちこんでいた。
これまで、どんなことがあっても食事は欠かさなかったのに、その夜は部屋にこもって出てこなかった。
「あとでわしがゆっくり話そう」
ロラン、ランドとともに夕食を共にしながら、ロランの父は言った。
悪魔神官デモニスを討伐したのち、ルナはローレシア城の破壊の跡...
「そろそろ往生なさい。憐れなロトの末裔よ!」
「あなたに憐れみをかけられるいわれはないわ!」
ルナは魔道士の杖を投げ捨てていた。肩からかけた杖の鞘から、潜ませていた短剣を抜く。刃渡りも合わせて大人の手から肘ほどもあるそれは、邪悪を退ける銀で作られた聖なるナイフだ。
「私はあなたを倒す!」
ナイフ...