自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・121
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/11/10 23:11:07
結界牢は、城の東側にある囚人用の牢獄に設けられていた。
ルナが報告したムーンブルク城襲撃の内容から、悪魔神官が尖兵となって、内側から突き崩す奇襲が常套手段と王は予測した。魔法の無効化もする強力な魔物相手だ。完全勝利できなかった場合、ここに封印するために、この特別な牢を作らせていた。
薄暗い石組...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
結界牢は、城の東側にある囚人用の牢獄に設けられていた。
ルナが報告したムーンブルク城襲撃の内容から、悪魔神官が尖兵となって、内側から突き崩す奇襲が常套手段と王は予測した。魔法の無効化もする強力な魔物相手だ。完全勝利できなかった場合、ここに封印するために、この特別な牢を作らせていた。
薄暗い石組...
【解放】
鉄格子の前に立った少年達を見て、囚人は暗い顔を上げた。何の期待もしていなかった目が、ロランの持つ牢屋の鍵を見て輝く。
「おお……そいつは!」
「王の許可は取りました。ここから出られます」
ロランは鍵を錠前に差し込むと左右に回した。ガチャリと錠前が外れる音を...
ラゴスは、壁の中に作った穴に潜んでいた。脱獄を試みて穴を掘り始めたのだが、岩盤に当たってそれ以上進めなくなってしまったのだと言う。
「いやー、ほんと間抜けだよね……。ボクとしたことがさ」
悪びれもせず笑うラゴスに、ルナが小声で怒った。
「軽く言わないで! あなたのせい...
【消えたラゴス】
ペルポイ監獄は、町の北東にあった。無機質な四角い建造物は、よもやここまでという大きさで、ロラン達もあっけに取られて建物を見上げた。
「すごい立派だね……」
「選ばれし民の楽園みたいに言われてるけど、中でリンゴが腐ったのかしら」
ランドが感嘆し、ルナ...
【道具屋の謎】
道具屋ドラキーマは、中央通りの裏手にあった。黄色いドラキーが描かれた小さな看板からは、特に怪しさは感じない。ロラン達は、黒みがかった木の扉を開けた。
「らっしゃい」
うっそりと答えたのは、カウンターに座る禿頭に黒髭の男だった。店内は薄暗く、掃除もあまりしていないようだ。天井には...