銀の狐 金の蛇20 導きの夢(中編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/08/14 14:25:09
『会いたかった。ずっと会いたかった。そなたが来るのを、ずっとずっと待っていたんだよ。ああ、そんなにおびえないで。天使に会わせてあげるから』 見目良いその人はそう言った。ほんとに会わせてくれるのかとおずおず聞き返したら、晴れやかな微笑みを向けてくる。 そうして、抱っこされた。まるでお姫様のように。
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『会いたかった。ずっと会いたかった。そなたが来るのを、ずっとずっと待っていたんだよ。ああ、そんなにおびえないで。天使に会わせてあげるから』 見目良いその人はそう言った。ほんとに会わせてくれるのかとおずおず聞き返したら、晴れやかな微笑みを向けてくる。 そうして、抱っこされた。まるでお姫様のように。
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桜の花びらかと思ったら違った。 白いふわふわした綿蟲が天から散り落ちている。 風に揺られて雪のように、ふうわりふうわり。 蒼い湖の上に降って、ゆっくりゆっくり沈んでいく。 (ここは舟の上?)
小さな舟。船べりにいる自分は……とても小さい。見れば白い死装束を着ている。 ...
~A.D.1865 某海水浴場にて~
「夏だ!」
白波寄せる白い砂浜。
「今日もおよぐうー!」
赤毛の少女が、裸足で波打ち際を走っていきます。しましま水着にゆったり白シャツという、なんとも爽快ないでたちで。 青いラピスラズリのお守りが平らな胸元ではずみ、キラキラ。 白く細い素足は太ももまで...
しゅるしゅる。しゅるしゅる。 一角獣《ユニコーン》の角が回転し、瓦礫の山の根元に穴をあけていく。 角の先端から迸る赤光が、驚くべき速さで建材を溶かす。 深く深く、穴がうがたれていく――。 ソムニウスは士長と馬首を並べて作業した。 操作は簡単だ。馬の背にまたがり、両手で首の部分についた手綱のような取...
狭い穴道を、銀色の馬が駈ける。 長い首をほぼ水平に倒し、風のような速さでびゅんびゅんと。 全身金属であるはずなのに、その関節も腹も首も、実になめらかだ。 その瞳はしずく星のように蒼く、たてがみや尻尾はフサフサきらきら波打っている。 その頭部に輝いているのは、大きく優美な一本の角――
「急げ! 走...