Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・111

「おい、やめろ!」
 真っ先に叫んだのは、民衆の最前列にいたアレックだった。皆に向き直って懸命に呼びかける。
「ルナ姫様が、どんな思いで討伐の旅を続けておられるか、考えたことがあるのか! 魔物の力は強大だ。一朝一夕に成し遂げられることではない。それに、姫様も大切なご家族と故郷を失われておられるのだぞ...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・110

【王族の背負うもの】

 ムーンペタの教会付近では、難民達のために仮設住宅の建設が急ぎ行われていた。冬が近づいて、さすがに天幕では寒さをしのげなくなってきたからである。
 元ムーンブルク兵のアレックは、建材を運ぶ足を止め、額の汗を手の甲で拭った。秋の空を見上げ、かの3人を思う。
(ルナ姫様達は、元気...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・109

 ロトの盾は、部屋の中央にある金色の台座に、覆いもなく飾られていた。ひと目見て、ロランはあまりの美しさに胸を射抜かれた。
 形状は逆三角形型に入るが、まるで竜の鱗を一枚切り出したかのように優美な輪郭をしている。
 金の縁取りを施された表面は、碧玉のような深い青色だ。全体に雄々しく翼を広げる不死鳥の紋...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・108

【ロトの盾】

 サマルトリアは紅葉が始まっていた。世界一美しい森の国が、豊かな命の恵みを謳歌する季節である。
 山々は鮮やかな黄や橙、赤が色彩を競い、常緑樹の緑と相まってまさしく錦絵のごとしだ。森に囲まれたサマルトリア城もまた、絢爛たる紅葉の衣をまとっていた。
 秋に訪れたことがなかったロランとル...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・107

「ナリアさん?!」
「そういうことだろうと思ったわ」
 ナリアは苦笑していた。笑うと、厳しい面持ちが和らぐ。
「お二人の演技に免じて、特別に入れてあげたけれど、あなたもトラマナが使えたなんてね」
 ランドを見て、ナリアは言った。
「すみません、だましてしまって。でもぼく達、本当に聖なる織機が必要なん...

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