自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・106
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/10/27 09:49:04
日暮れになると、人通りもほとんどなかった。ロラン達が再び神殿前に来ると、奥からすぐにナリアが出てきた。人の気配に敏感らしい。
「またあなた達ですか。もうここには用はないはず」
「いいえ、ありますわ。実は私の仲間が、ここで婚礼を挙げたいと申しまして」
ルナが澄まして言った。ナリアは眉をひそめた。
...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
日暮れになると、人通りもほとんどなかった。ロラン達が再び神殿前に来ると、奥からすぐにナリアが出てきた。人の気配に敏感らしい。
「またあなた達ですか。もうここには用はないはず」
「いいえ、ありますわ。実は私の仲間が、ここで婚礼を挙げたいと申しまして」
ルナが澄まして言った。ナリアは眉をひそめた。
...
「お帰り下さいませ。ここは神聖なる月の女神の体。神殿に立ち入る者には、災いが降りかかりましょう」
月の女神の神殿を守る巫女ナリアは、厳格な顔でロラン達に言った。白い衣をまとい、くっきりとした濃い眉に、腰まで届く長い黒髪。額には巫女を表す頭環を飾っている。
「いえ、無理に中が見たいというわけでは。僕...
「ラジェット、おいで~?」
いなくなったラジェットを探しながら、シエナは途方に暮れていた。
ゆうべ、ラジェットの首に縄を結んで逃げられないようにしたのだが、ラジェットは首輪をひどく嫌がって悲しそうにしていた。かわいそうになって、つい外してしまったのだが、これ幸いにと、ラジェットはまた、朝からどこ...
【犬は導く】
「じゃあ、情報を整理してみましょう」
ルナが言った。モハルの元を辞去し、ロラン達は宿に戻った。夕飯前に、ルナの部屋に集まっての会議である。
「まず怪盗ラゴスが、テパから二つの物を盗んだ。一つは水門の鍵、もう一つは聖なる織機ね」
「どうして水門の鍵を取り戻さなければならないかというと...
老人は、ドン・モハルと名乗った。顔も似ているが、名前までそっくりだった。だが、血のつながりはないという。
「ドンという称号は、匠のみ名乗れるそうですが……モハルさんも、そうなんですか?」
爽やかな香りのお茶と乾し果物のもてなしを受けながら、ルナが尋ねた。よう知っとるな...