自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・86
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/10/13 09:27:25
ベラヌール大聖堂。その地下に、審問の間があった。
老法王ハミルトを中心に、何人もの司祭と審問官がロラン達を半円状の雛壇から見おろしている。うち1人が厳かに告げた。
「邪教に通じ、命乞いをした被疑者3名に弁明の余地を与える。何か言うことはないか」
「ちょっと、なんで私達、もう犯罪者になってるの? ...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
ベラヌール大聖堂。その地下に、審問の間があった。
老法王ハミルトを中心に、何人もの司祭と審問官がロラン達を半円状の雛壇から見おろしている。うち1人が厳かに告げた。
「邪教に通じ、命乞いをした被疑者3名に弁明の余地を与える。何か言うことはないか」
「ちょっと、なんで私達、もう犯罪者になってるの? ...
【異端審問】
雪氷に閉ざされた台地の中心に、十字型の二つの塔が立っている。塔は音叉のように下方でつながり、一つの体(てい)を成していた。
その内部。四方を青白い結界に閉ざされた礼拝堂に、邪神官ハーゴンはいた。
ハーゴンの前には、奇妙な形をした十字架が祀られている。のたうつ蛇がからみあって十字...
ロランは宿の庭木の近くに腰を下ろしていた。時折、鼻を鳴らす息遣いが聞こえる。
――泣いているのだ……。ランドを救えた喜びか、つらい役目をやり遂げた安堵のためか。
ランドの胸が痛んだ。
一度、死を覚悟して別れの言葉を言ったのだ。助かるなどとは思っていなかったから、ど...
ベラヌールの宿の主人は慈善家でもあったので、ランドの宿泊料を特別に無料にしてくれた。薬師の老人はつきっきりでランドを看ていたが、することはほとんどなかった。
ランドは食事も排泄もせず、こんこんと眠り続けていた。しかしそれは、回復へ向かう眠りではなく、確実に死へ向かう眠りだった。
(かわいそうに&...
ロランの猛進撃は止まらない。
何百という数を斬っても疲れを見せず、襲い来る魔物を無数の屍に変える。徐々に魔物の数が薄れ、とてつもなく巨大な樹の根元にロランが走り込むと、白い毛皮をした人間ほどの翼を持つ尾長猿が陣取っていた。バズズの配下のシルバーデビルだが、ロランはその名を知らない。
ロランは無...