Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・81

「え?……いや」
 ロランがきょとんとすると、ルナは小さく吹き出した。
「ひどいわね。私、一生懸命探したのに。……あのね、あなたとランド、衣装部屋のタンスに入って、一緒に寝てたのよ」
「えっ」
「気持ちよさそうにドレスか何かにくるまって、ぐーす...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・80

【世界樹】

 船は東を目指して進んでいた。ロランは舵取りをカイルに任せ、舳先に立って水平線を見つめていた。
 ランドのいない船は静かだった。その場にいるだけで、ランドには場を和ませ、明るくする何かを持っていた。
 寂しい。ロランの胸を満たすのは、冷たく凍った海の氷にも似た閉塞感だった。
 ランドを...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・79

「……ロラン」
 装備を解き、ベッドに横たえると、ランドがうっすらと目を開けた。ロランは冷えきったランドの額に手を当てて、うなずいてみせる。
 ルナ達が出て行ったあと、ようやく我に返ったロランは、ランドを寝かせようとしたのだった。
「ここにいる。さっき、ルナ達が医者を呼び...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・78

「それで、さっそくだけど何かつかめたの?」
 ルナが尋ねる。カイルはうなずいた。
「はい、わずかですがお役に立てるものもあるかと。一度お城に戻って陛下にご報告を考えておりました矢先、こうして王子様達に出会えたので、幸運でした」
 カイルが話したのは、次のことだった。
 まず、ベラヌール北の祠には3つ...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・77

【邪神官の魔手】

 夜の航海は静かだ。波も穏やかで、船を揺りかごのようにゆったりと揺らしている。
 ロランは薄闇の中、隣のベッドで眠る友を見ていた。背を向けていて、ランドの寝顔はわからない。
 このままでいいのか、という気持ちがあった。おそらく体に病を抱えているだろうに、何もしないまま旅を続けてい...

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