自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・76
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/10/02 11:07:35
店内はこぎれいに片付いていて、壁際に見本が置いてあった。
魔道士の杖、鉄兜は見慣れているが、竜の角の装飾が豪華な手甲に鋭い刃が付いたドラゴンキラー、青みがかった銀色が美しい魔法の鎧、そして金の縁の中心に、魔法の鎧と同じ金属が扱われた壮麗な円形の盾が目を引いた。
「それはミスリル銀っていう、魔法を...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
店内はこぎれいに片付いていて、壁際に見本が置いてあった。
魔道士の杖、鉄兜は見慣れているが、竜の角の装飾が豪華な手甲に鋭い刃が付いたドラゴンキラー、青みがかった銀色が美しい魔法の鎧、そして金の縁の中心に、魔法の鎧と同じ金属が扱われた壮麗な円形の盾が目を引いた。
「それはミスリル銀っていう、魔法を...
小さな村には宿屋ではなく、一軒だけ民宿があった。だが長く旅人が訪れないので、宿の主人は裏の畑で大根を抜いていた。
「すみません。一晩泊めていただきたいのですが……」
ロランが声をかけると、主人は折り曲げていた腰を伸ばして驚いた顔をした。
「おお、お客さんかい。珍しいね...
いきさつはともかく、食事当番の交代制は良い気分転換になった。最初はロランの番だった。海育ちのせいか、味つけは塩が中心だが、スープも焼き物も、素材の味を引き出していると二人に評判が良かった。刃物の扱いも慣れているので、切り方も鮮やかである。
その次はランド。ランドの当番の時はいつもより時間が遅れた...
ロラン達は長旅ですすけた顔で、山間に浮かぶ小さな村の入り口に立っていた。畑作と牧畜で自給自足している寒村に見えるが、ここに羽衣作りの職人が住まうという。
ここまでの道のりの遠さがどっと押し寄せ、安堵に崩れそうな膝を励ましながら、まず宿屋を探し始めた。
旅人が珍しい村の子どもらが遠巻きにこちらを...
【最後の巨匠】
「そら、これでどうだい?」
「うむう……」
パチリと指された将棋の駒に、小柄な老人がしわ深い顔をぎゅっとゆがめる。顎に指をかけ、前のめりに盤をにらみ、白い口髭をもぐもぐ言わせてうなる姿に、小太りの中年男は「ふう」と吐息を漏らした。
「待ったはもうなしだ...