自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・51
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/22 21:56:05
「おっと」
「あっ、ごめんなさい」
はしゃぎすぎて気づくのが遅れ、ルナは誰かと肩がぶつかった。軽く頭を下げかけたが、相手はルナを見てにんまりする。筋肉ではちきれそうな青い横縞の半袖シャツに革のズボン。どうやら船の乗組員のようだ。ひどく酔っていた。
「かわいい姉ちゃんじゃねえか。どうだい、俺と一杯?...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「おっと」
「あっ、ごめんなさい」
はしゃぎすぎて気づくのが遅れ、ルナは誰かと肩がぶつかった。軽く頭を下げかけたが、相手はルナを見てにんまりする。筋肉ではちきれそうな青い横縞の半袖シャツに革のズボン。どうやら船の乗組員のようだ。ひどく酔っていた。
「かわいい姉ちゃんじゃねえか。どうだい、俺と一杯?...
【機港都市ルプガナ】
ドラゴンの角北の塔から、いったん北上し、東へ。ロラン達はついにルプガナの町へ到着した。
「ここがルプガナか……。こんなに大きな町だったのか」
「ねえねえ、見たことのない設備があるよ!」
町の入り口にたどり着いた時は日も西に傾いていたが、町は多く...
なるべく荷物は軽くしようと、ルプガナに行くまでの食料や備品を吟味した。ルナも、愛用していた鍋をここに置いていくことに決めた。
「大事に使ってちょうだいね」
泣く泣く、鍋やおたまを塔のすみに置く。数羽の海鳥が、珍しそうに見ていた。いずれ水飲み場として使ってくれるだろう。
重量で一番困るのは装備だ...
次々に襲ってくる魔物を蹴散らして7階まで来ると、吹き抜けは終わった。周囲を胸の高さまでの壁が覆っていて、展望台のようになっていた。眺めは素晴らしく、地平線と空の境目まで見渡せる。人が往来していたころは、観光でここにのぼる旅人も多くいたのかもしれない。
頂上の床のあちこちに鳥の巣がいくつもあり、海...
【風と勇気とマントと】
大砂漠のオアシスから北上したロラン達は、緩やかに弧を描く半島の先までたどり着いていた。西に青く霞むのは、目指すアレフガルド大陸だ。
「これがドラゴンの角か……」
ロランは目の前に立つ高い塔を見上げた。青空に、蔦を所々からませた石組みの美しい...