自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・41
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/17 10:49:39
「私、焦ってたみたい……。早くハーゴンのもとへ行って、お父さま達の仇(かたき)を討ちたい。気がついたらいつも、そのことばかり考えているから」
「うん。わかるって言っちゃいけないけど、……わかるよ」
ランドらしい言い方に、ルナは癒されたように微...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「私、焦ってたみたい……。早くハーゴンのもとへ行って、お父さま達の仇(かたき)を討ちたい。気がついたらいつも、そのことばかり考えているから」
「うん。わかるって言っちゃいけないけど、……わかるよ」
ランドらしい言い方に、ルナは癒されたように微...
【風の塔】
百里が浜からさらに南下し、海につながる支流の橋を二つ越え、ロラン達は風の塔の立つ平原まで来ていた。
浜で釣った魚を食いつなぎ、平原に向かう途中の森林地帯で食べられる木の実を採取し、川でまた魚を釣った。時期が良かったので、ここでも大漁を得られたものの、今が冬でなくて本当に良かったとロ...
ムーンペタから北上して数日後、3人はムーンブルク東側の名物、百里が浜を歩いていた。砂浜があまりに長く続くので、百里が浜と呼ばれるのは無理もなかった。
日差しは強く、ルナは日焼けを嫌って頭巾を目元まで降ろしている。ロランは細かい砂を歩きながら、潮風を胸一杯に吸いこんだ。
「いいな、この匂い。落ち着...
風の塔。そこに、いにしえ人(びと)が作った〈風のマント〉があるかもしれないと、ルナは言った。
風のマントは、身に着けて高い所から飛び降りると、風をはらんである程度の距離を滑空できるのだという。とても軽い素材で仕立てられている上、そうなるよう、何らかの魔法がかかっているらしい。
空を飛んでの移...
第二章 勇者航路
【いざ、南へ】
行けども行けども、森の中。密生した木々の中を、3人の少年少女が足早に進んでいく。
森の中には、かろうじて、南に続く小道が残っていた。長い間手入れされていない部分は、倒木や灌木にふさがっていたが、青い服の少年が軽々とそれらをどかし、あるいは切り払い、残る二人が...