自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・36
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/11 16:18:06
「うそ……だろ……」
かすれた声で、ランドがつぶやいた。
「不死者(アンデッド)? キースって人、最初から死んでたの?」
「……ああ。僕は、彼に触れた時に、そうじゃないかと思ってた」
「――なんで教えてくれなかった...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「うそ……だろ……」
かすれた声で、ランドがつぶやいた。
「不死者(アンデッド)? キースって人、最初から死んでたの?」
「……ああ。僕は、彼に触れた時に、そうじゃないかと思ってた」
「――なんで教えてくれなかった...
【決意】
フィリアの宿にルナを連れて行くと、フィリアはもちろんルナの顔を覚えていて、涙を流して無事を喜んだ。
心づくしのもてなしに、ロランとランドの疲れも癒されたが、ルナの表情は硬いままだった。
翌朝すぐに、ルナはムーンブルク城へ行きたいと二人に頼んだ。断る理由はなかった。
「ランド、その杖...
ルナは、ムーンペタの教会付近に二人を連れてきた。そこには天幕がいくつか張られていて、数十人の人々が生活しているようだった。
ロランとランドはすぐにわかった。ムーンブルク城下町から逃げてきた難民の仮住まいだということに。
教会から数人の尼僧が出てきて、炊き出しを始めた。みすぼらしい服装の人々が列...
ひとまず塔の位置を地図に記すと、二人は丘を下りて池へ向かった。気候が良いせいか、魔物はさほど襲ってはこず、森を分け入って先へ進む。
ムーンブルクはローレシアより南にあるせいで、植物も豊かだ。だが、みっしりと生えた木々が徐々に減り、枯れ木が目立ってくると、ロランとランドは不審そうに顔を見合わせた。...
【ラーの鏡】
「まだ怒ってるのか」
「……別に。ロランって、意外と冷たいんだなって思ってただけさ」
騎士の教えてくれた土地まで、残った食料でも行けると踏んで、ロランとランドはムーンブルクの廃墟を出たのち、すぐに東へ向かうことにした。
体は疲れていたが、まずは夜通し歩...