自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・31
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/09 11:11:43
ロト王族同士で、避難路のありかは伝えられていた。
ムーンブルク城中央にある庭園は、一度城の外に出て壁沿いに下り、城南西壁にある別口から入らないと行けない。薬草も残り少なく、次々と襲いかかってくる魔物に手を焼きながら、二人は苦労して庭園に入った。
美しく整えられ、咲き誇っていたであろう草花や木々...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
ロト王族同士で、避難路のありかは伝えられていた。
ムーンブルク城中央にある庭園は、一度城の外に出て壁沿いに下り、城南西壁にある別口から入らないと行けない。薬草も残り少なく、次々と襲いかかってくる魔物に手を焼きながら、二人は苦労して庭園に入った。
美しく整えられ、咲き誇っていたであろう草花や木々...
それからも無数の遺骸を目にしながら、無言のうちに二人は城へと着いた。美しかった外壁は血と泥にまみれ、煤(すす)で黒く穢されていた。見上げるのもわずかの間。二人は入り口をくぐった。
(頭が痛い……瘴気のせいなのか)
歩くごとに、頭痛が響く。体が倦怠感に満たされつつあり、...
【光はなく、死のみ】
「あの小犬、ちょっとかわいそうだったね」
ムーンブルク城へ至る平原を西に歩きながら、ランドがつぶやいた。
「ああ……。でも、この辺りの魔物はローレシア大陸よりも手強い。とても連れては行けないよ」
「うん……」
ロラン...
そろそろ昼になりそうだったので、二人は福引所へ向かうことにした。池を離れて賢者の庵に通じる小屋へ回り込むと、野良犬らしい白い小犬が、二人を見つけて駆け寄ってきた。
「あ、犬だ。かわいいなあ」
尻尾を振り、さかんに吠えたてる小犬を見て、ロランがにっこりする。
「ロラン、犬が好きだもんね」
ランド...
翌朝、フィリアに弁当を持たせてもらい、ロランとランドは宿屋を出た。そのまますぐに城へ向かいたいところだが、まず装備を調えるため、武器と防具の店を訪ねる。まだ準備中のところを頼みこみ、店を開けてもらった。
「お客さん、これはいいよ。鉄の槍に鋼鉄(はがね)の剣。鋼鉄の鎧や盾も、ここいらじゃ欠かせないね...