機霊戦記 8話 黒機霊(中)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/09/28 09:18:28
今までなんでもてきとーにこなしてきた俺。金属溶解も合成も回路繋げるのも、今までおのれの勘ひとつでざっくばらんにやってきた。 細かい数値なんてガン無視。めんどくさくてっていうのもあるけど、それはてきとーに気の赴くまま作ると、思いもしない偶然の結果が出てきて面白いからなんだ。 プジの機霊だってそう。メ...
今までなんでもてきとーにこなしてきた俺。金属溶解も合成も回路繋げるのも、今までおのれの勘ひとつでざっくばらんにやってきた。 細かい数値なんてガン無視。めんどくさくてっていうのもあるけど、それはてきとーに気の赴くまま作ると、思いもしない偶然の結果が出てきて面白いからなんだ。 プジの機霊だってそう。メ...
赤い大地に落ちる、黒い翼の影。 みるみる左右に広がる、コウモリのような翼。 俺にひっついたプジから生えてきたその翼が、クワッとはばたく。 飛び立ちながら、俺は左肩に出てきた「気配」を感じた。 禿げ猫のプジは、分離型機霊の核を内包してる。 今回は飛ぶだけでは済みそうにないので、翼だけの第一形態から、...
びゅおう、びゅおう、と谷間が低くうなる。
その深い割れ目の中を、鉄の昆虫が颯爽と飛ぶ。しなやかな細い体はあたかも風を貫くよう。
ぎゅん、と音をたてて谷間の呻きを割っていく。
「爽快だ」
前の騎乗席で銀の兜をかぶった男が笑う。
「月栄、鳥たちが横に。こちらを親鳥と思っているのか?」
「...
がしゃり、と華奢な音が響きわたる。
パッと床に散らばるのは、ギヤマンの小瓶の破片。
たった今、思い切り床に投げつけられ砕け散ったのだ。
粉々に散らばった輝きのかけらを舐めるように、銀色の液体がじわじわと四方に広がる。
「もう薬などいらぬ」
しゃがれ声で、ソファの海に埋もれているその男は...
王宮に呼び戻されたウサギはそのため、あやうく自身も反乱の疑いをかけられるところであった。
王弟殿下が建てさせた塔は、ウサギの塔に瓜二つ。しかも塔の建設や橋の復旧に使われている重機は、ウサギが作ったものだったからである。
『いやあ、おじいに限ってそんなことはないと思うけどさー。でもガルジューナが』...