自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・21
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/05 10:40:32
岩山の峡谷を抜けて一日半歩くと、広大な草原が広がった。遠くには山脈が青く見える。そのふもとに、目指す湖はあった。
「広いなあ……」
ロランは、ほうっと息をついて眺めた。幼いころ一度訪れたが、その記憶と変わらず湖は広々としていた。午後のけだるい日射しに、湖面は...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
岩山の峡谷を抜けて一日半歩くと、広大な草原が広がった。遠くには山脈が青く見える。そのふもとに、目指す湖はあった。
「広いなあ……」
ロランは、ほうっと息をついて眺めた。幼いころ一度訪れたが、その記憶と変わらず湖は広々としていた。午後のけだるい日射しに、湖面は...
さかんに舌を鳴らし、キングコブラの一匹がロランに飛びかかった。ロランはその頭へ向かって銅の剣を振りかざした。その瞬間、ふっと全身が空白になる感覚があった。
(いける!)
空白になった全身に、瞬時に満たされるのは、あふれんばかりの自信と力だ。ロランはそれを剣に載せて薙いだ。
――会心の一撃!
...
サマルトリア城下町から北西へ、ロランとランドは進路を取った。城下町で多めに保存食や道具類を買ったが、城には寄らなかった。
ランドが、妹に会うのを避けたのだ。会わなくてよかったのかと問うと、ランドは苦笑した。
「外に出たいって気持ちに、火がついちゃうだろ? でも、こっちはだめだって言うしかない。結...
【銀の鍵探して】
ランドの言うところによると、ロランを捜してローレシア王に会ったあと、歩いてサマルトリア城へ向かったという。だが道のりで疲れ果て、リリザで宿を取ったのだ。
勇者の泉の洞窟からキメラの翼を使ってローレシアに向かった分で、道具は尽きていた。キメラの翼はローレシアの城下町では売ってい...
「とは言ったものの……」
リリザへの街道を歩きながら、ロランはやるせない気持ちで暮れていく空を眺めた。
「またローレシアまで、何日も歩くのか……」
歩くことはつらくはない。ロランを憂鬱にさせるのは、行って、また無駄足になることだ。
(今日は...