機霊戦記 6話 ロッテの憂鬱(前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/09/14 09:37:12
「あちゃあ。もしかして、女装がバレたとか?」 彫像のごとく硬直する僕の耳に、テルがびたっとおのが額に手を当てる音が聞こえてくる。「代理騎士(お妃)募集だったもんねえ。国家機関をごまかすのは、さすがに無理だったかー」 「いや、そこは完ペキ」 長い髪を解いた赤毛の少女――いや、少年は、伸した...
「あちゃあ。もしかして、女装がバレたとか?」 彫像のごとく硬直する僕の耳に、テルがびたっとおのが額に手を当てる音が聞こえてくる。「代理騎士(お妃)募集だったもんねえ。国家機関をごまかすのは、さすがに無理だったかー」 「いや、そこは完ペキ」 長い髪を解いた赤毛の少女――いや、少年は、伸した...
「この街は遺跡に近くて、発掘屋が結構いる。奴らは、落下物は隕石系のモノって思い込んでるぜ。しかもかなりな大きさのモノってな。だから、かなーり色めきたってる」「色めき……?」「一体誰が一番乗りして、隕石おたからを持ち去ったかって騒いでるんだ。お宝の行方を嗅ぎ回ってる輩が、最...
『アル! 返事して! アル――!!』 地に激突した瞬間。 ものすごい黄金の渦に呑み込まれたのを覚えている。『死なせません……マレイスニール』 僕のアルゲントラウムは「僕」のことを認識していなかった。 すっかり、初代皇帝だと思い込んでいた…&he...
じゅうーと、なんともいい焼き音がする。香ばしい匂いも。
「うっめえ!」
ウサギ技師の喜びの声は元気いっぱいだ。
一仕事終えてすかっと気持ちよさそうである。
結局のところ、剣を持って行ったのは大正解で。水中に没した俺は、ちょっと記憶があやふやなんだが、赤い剣の波動が見事に魚どもの魂を総取...
「ひいいい! こえええ! 今年は一段と多くないかー?」
サーフボードに思わずしゃがみこむ黒髪おじさん。
「ああ……奥さんの華麗な水上の舞いを見たかったのに……」
ウサギがぶつぶついいながら後ろを確認する。
「うわ! なんだかすげえ。...