自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・16
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/01 22:38:51
無事にサマルトリア城下町に着くと、ロランはすぐ城へ向かった。
城内1階には大聖堂があり、ここは日中、町の人々に開放されていて、人の出入りが多かった。犯罪率の低さでも有名だったこの町にも、ついにスリの集団が出たと、リリザの町で噂になっていた。
対策としてか、出入り口や廊下に立つ衛兵の数が目立った...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
無事にサマルトリア城下町に着くと、ロランはすぐ城へ向かった。
城内1階には大聖堂があり、ここは日中、町の人々に開放されていて、人の出入りが多かった。犯罪率の低さでも有名だったこの町にも、ついにスリの集団が出たと、リリザの町で噂になっていた。
対策としてか、出入り口や廊下に立つ衛兵の数が目立った...
【友よ、ここに】
今すぐにランドを追いかけたい気持ちだったが、何日もろくに休まずの強行軍だったので、さすがにロランも父の申し出を断れなかった。ランドもサマルトリアに帰ったのなら、向こうで自分を待っていてくれるに違いない。
父やマルモア達も話を聞きたい様子だったので、ロランは一泊するこ...
急ぎ足で洞窟を出ると、ロランは空を見上げ、苦い顔をした。今の気持ちを代弁するように、木々の隙間から覗く空は曇っている。
「やっぱり、使うしかないのか……」
背中の荷物を降ろし、道具袋からキメラの翼を取り出したロランは、重くため息をついた。金色の針金を曲げて白い羽根を付...
【さまよう王子、二人】
ローレシア大陸の北東に、細長く延びた半島がある。切り立った断崖の際まで木々が生い茂り、訪れるのは海鳥ばかり。冬になれば風が吹き荒れ、人が住まうことのない寂しい土地である。
だが、サマルトリアの国境とその半島とは、橋が架けられていた。半島の突端にある洞窟へ向かう戦士達のた...
アリシアはああ言っていたが、ランドはそこまで愚かではないし、弱い人間でもない。もちろんそれは、家族であるアリシアやサマルトリア王がよく知っていることだ。
ただ城の人間は、ここ一番でランドを信用しきれていない風はあった。本当に彼に任せていいのかと、どこか頼りない印象が付きまとっているからである。
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