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Sian

8月自作 海 「大海嘯」(前)

 ちりんちりんと、塔の窓からぶら下がっている風鈴が鳴っている。
 真っ赤な金魚の形をしていて、ギヤマン製のおっきい目玉と半分開いた口が、どこかユーモラス。
 世間一般は、夏。
 入道雲がもくもく空に浮かぶ夏。
 ということで、

「海! 海に行くぞぉ!」

 と、俺の雇い主であるウサギ技師は、自走す...

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機霊戦記 第四話 銀の天使(後)

 名乗らないエラそうな銀髪少年は、薄くて綺麗な模様が織り込まれたひらひらの衣一枚、といういでたち。端末フォンのようなものは、何も持ってない。 三日前に拾った時は、背中が焼けてて結構な重症で。 傷を見たじっちゃん曰く(えらく悲愴な顔で)、『翼をもがれた鳥のようじゃなぁ』 つまり体内に機霊が埋まってるら...

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機霊戦記第四話 銀の天使(前)


『うっしゃあ! メイ姉さーん、メケメケの修理終わりましたぁーっ』 おっきなトラック型の反重力推進機(メケメケ)の前で、ぴしっと敬礼する俺に。 おっきなお胸のメガネのおねいさんが、長いみどりの黒髪をなびかせて、嬉しげに微笑む。『わああ、ありがとうテルちゃん!』『どうですぅー? ついでにてきとーに、潜...

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機霊戦記 第三話 青鋼玉(後)

「今日は一段と、まぶしいわねえ」 プジが東の空を眺めて眉をひそめる。 サファイアの猫眼がせわしなくしゅんしゅん言ってるから、拡大視でもしてるんだろうか。 俺たちは風化遺跡から、真っ赤でじゅくじゅくな大地に敷かれた舗装路を、ひたすらまっすぐ南下した。 三十分もすると、空はだいぶ暗くなり。真正面に真っ黒...

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機霊戦記 第三話 青鋼玉(前)


「テルぅー。もう帰りましょーよー」 ぱしん、ぱしん。 先っぽが銀色金属丸出しのふさふさしっぽを地に叩きながら、プジが俺にぶうたれる。 両手両足をそろえ、ちょこんと正座している殊勝な格好だが、猫ってやつは尻尾だけは嘘をつけないようだ。「おじいさまが心配してるわよー」 腕に嵌めてる端末(フォン)を見た...

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