自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・1
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/08/24 15:52:29
★プロローグ
風が渡る草原を、一本の街道が貫いている。
右手には雄大なローレシア山脈を望み、左手には空を挟んでうっすらと青い筋があった。
少年は歩みを止めず、懐かしむように草原の向こうに広がる海を見た。海の見える街は彼の故郷だ。この街道を伝って行けば、やがて北上し、海は見えなくなるだろう...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
★プロローグ
風が渡る草原を、一本の街道が貫いている。
右手には雄大なローレシア山脈を望み、左手には空を挟んでうっすらと青い筋があった。
少年は歩みを止めず、懐かしむように草原の向こうに広がる海を見た。海の見える街は彼の故郷だ。この街道を伝って行けば、やがて北上し、海は見えなくなるだろう...
私がFC版ドラゴンクエストⅡの公式小説を読んだのは、小学校5年生くらいのときだった。
アニメなどの脚本で活躍していた高屋敷英夫氏がノベライズしたのだが、この人は前作Ⅰのあとがきで自ら「私はゲームがまったく駄目なのだ!」と言い切る人であった。
それでもプロの脚本家、ドラクエの数少ないエピソードやキャ...
この作品は、狩り友であり小説仲間である方とのリレー小説「モンスターハンター勇気の証明」から派生したスピンオフ作品である。
主人公のロジャーは「勇気の証明」で私が担当したギルドナイトのキャラを、その方がほかの狩り友氏をリスペクトするあまりに「紅蓮のロジャー」という異名をつけ、自己パートの最終面で大活躍...
【騎士の証明】
緑なす木々のトンネルを、ロジャーは走った。
深く濃い緑、翠。草葉の陰には虫達が遊び、土地の人間は妖精が住まうと言い伝えている神秘的な隧道(ずいどう)だった。
飛竜が時おり訪れる泉を通り過ぎ、いたずら好きの獣人メラルーが数匹、ロジャーの疾走に驚いて、跳ねるように逃げていく。
...
【僕の小鳥】
古龍の血の効果について、さらに驚くべきものがあった。
身体が回復するにつれて、ロジャーの身体に醜く刻まれていた古傷のほとんどが、きれいに消えてしまったのである。
まるで神話の英雄が黄泉から復活したかのごとく、ロジャーは生まれ変わった。
その証拠に。
彼の黒い瞳には、あのアル...