自作6月 夏至・恋人 エクステル(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/06/29 23:22:10
どうして布に血がついていたのか。
女将がなぜ旦那様と言い争っていたのか。
薬を飲んで「お店」で働くようになって、ほどなく分かった。
私が飲んでいる薬は、体の成長を止めるもの。
旦那様は大人になれなった私を、「お店」に来た人にこう宣伝した。
『永遠の少女。不死のメニス』
メニスは...
どうして布に血がついていたのか。
女将がなぜ旦那様と言い争っていたのか。
薬を飲んで「お店」で働くようになって、ほどなく分かった。
私が飲んでいる薬は、体の成長を止めるもの。
旦那様は大人になれなった私を、「お店」に来た人にこう宣伝した。
『永遠の少女。不死のメニス』
メニスは...
ウサギ技師の塔という新たな就職先で、剣の修理を依頼した食堂のおばちゃん代理でしたが……
「エクステル――創砥式7305――」
今日ネコメさんが剣が直ったと知らせてくれた。
工房に行ってみたらなんともまあすらっとした長身の剣になっている。
黄金の狼姿の牙王が、よくやっ...
「ネコメくん、乗ってるね」
「実はこの韻鉄を加工できるのがうれしくて」
ネコメさんは満面の笑みで、せまい額の汗をぬぐった。
「永年恋焦がれていた恋人に、やっと告白できたような気分で……爽快です」
「そりゃまたずいぶん、入れこんでたんだなぁ」
「ひとめぼれ、でした...
パパの隣には、真っ白なウサギさんが座ってる。
なんだか凄く、疲れてる感じ。でも、かわいい。
このウサギさんは、わたしたちを迎えに森にやって来たの。
「はい、ありがとうございます。でもなんだか、本当にすみません。その……蛇の王妃さまが、塔をぼろぼろにするなんて、...
あは。くすぐったい。
これはなんの音? むずむずしちゃう。
音がはじけて、くるくるまわってる。
つんつんほっぺたをつつかれてるかんじ。
どうしよう。どうしよう。
手足がかってに動きそう。きらきらしそう。
わたしが、ちゃんとわたしだった時みたいに。
ちきちき鳴りながら光るくすぶり。...