Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

モンスターハンター  騎士の証明~110

【突きつけられた刃】

「逃げろ!」
 そう叫ぶしかなかった。ロジャーは頭上に迫った氷塊から間髪入れず逃れていた。直後、地面に落ちた氷柱が轟音を立てて粉々に砕け散る。
「こんなの、どうすりゃいいんだよ!」
「影だ! 氷が落ちてこない隙間に逃げろ!」
 自棄になってわめくボルトへ、ロジャーは怒鳴ってい...

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モンスターハンター  騎士の証明~109

【背水の陣】

「俺は死にたくない」
 静かだった。滔々(とうとう)と滾(たぎ)り流れる溶岩の音に、ブルースの声は寂(せき)と響いた。
「ブルース……」
 呆然とボルトは相棒を見つめていた。ブルースは一瞬苦痛に顔をゆがめ、ボウガンを支える両手に目を落とす。アルバトリオンの...

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モンスターハンター  騎士の証明~108

【三位一体】

「危ないッ!」
 ロジャーは叫んでいた。
 ボルトが悄然と突っ立っている。無防備な姿を煌黒龍は見逃さなかった。全身に黒い龍気をまといつかせ、ここぞとばかりに前足をふりかぶる。
「!!」
 殺気に顔を上げたが、遅かった。ボルトはアルバトリオンの爪を食らい、派手に吹き飛ばされる。
「ぐは...

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モンスターハンター  騎士の証明~107

【友と仲間】

 ――自分達ギルドナイトの狩りを、すべて見ていてほしい。
 それが、ロジャーが託した頼みだった。
 モンスターの生態を研究する王立学術院書記官であるトゥルーとランファは、今回の討伐対象であるアルバトリオンの生態を報告するよう、古龍観測所とロックラックギルドに依頼を受けた身でもある。
...

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モンスターハンター  騎士の証明~106

【氷と炎(ヴィルマフレア)】

 とまどったようにこちらを凝視するボルトから目を逸らし、ブルースは霜に覆われた兜を外すと、乱暴に脱ぎ捨てた。衝撃には強いディアブロス亜種の装甲も、冷気にはもろくなる。地面に叩きつけられた兜は、ばくりと音を立てて二つに割れてしまった。
 汗ばんだ額に長い前髪が貼りつき、...

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