モンスターハンター 騎士の証明~105
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/11/07 21:37:39
【冷徹と熱血】
――発見したパターンをいくつかご報告します。
負傷したランファを連れて撤退する前に、王立学術院書記官であるトゥルーはロジャー達に告げた。
モンスターには必ず動きの癖がある。炎を吐く前に取る体勢、咆哮をあげてから繰り出す攻撃などだ。
アルバトリオンにも、行動を予測する一定の動...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【冷徹と熱血】
――発見したパターンをいくつかご報告します。
負傷したランファを連れて撤退する前に、王立学術院書記官であるトゥルーはロジャー達に告げた。
モンスターには必ず動きの癖がある。炎を吐く前に取る体勢、咆哮をあげてから繰り出す攻撃などだ。
アルバトリオンにも、行動を予測する一定の動...
【不退転】
ランファがロジャーに支えられながらこちらへ向かうのを見て、トゥルーは唇を噛んだ。
「こんなはずじゃなかったのに」
自分達を信じてほしいと、大見得切ったのが恥ずかしかった。けれど、モンスターの反応が予測以上に速く、百メートル以上離れていても一瞬で飛来する飛行能力を備えていたとは、これ...
【圧倒的な無力の前で】
(拘束バリスタが復帰するまで待っていられない!)
吸い込むと肺まで焼けそうな熱気にむせながら、ロジャーは爆弾が置いてある地点を睨んだ。アルバトリオンに気づかれないよう、人間の臭気を消すけむり玉を焚いて気配を消し、降りかかる火の粉による誤爆に怯えながら、ようやく運び入れた苦...
【困難、また困難】
熱せられた大気がロジャーの前髪を揺らめかせている。
遠くかすむのは翼持つ黒い巨体。優雅ともいえる足取りで、地を震わせながらゆっくりと近づいてくる。
(そうだ、ここへ来い)
両手に冴え冴えと輝く聖剣、マスターセーバーを携え、ロジャーは迫りくるモンスターを睨みつける。
背後...
【8時間】
砲撃がアルバトリオンの胸元で炎を上げると同時に、肩の所で別の小爆発が起こった。身体を覆う逆鱗が数枚吹き飛び、アルバトリオンは驚いたように身を反らした。さっきからしつこく付着させていた、ブラキディオスの粘菌が自爆したためだ。この謎の粘菌は、一定量で空気に触れると自爆する性質を持っている...