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Sian

「百の庭園」 序歌 イオニマスの虹 2/3

 少年が鏡に叩きつけるように腕を振ったので、フクロウは一瞬べちゃりと鏡面に落ちた。しかしすぐに翼をしまい、すまし顔で少年を見上げる。 「庭園の主と我が名にかけまして、このような無体は看過できません。今すぐわたくしに、ごめんなさいとお言いなさい。悔い改めるのです」 「ふん、言うものか。おま...

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百の庭園 序歌 「イオニマスの虹」 1/3

 黄昏の乙女の園は西の果てにありて 大地支える神を見下ろす楽園なり。
序歌 イオニマスの虹  燃えさかる名を持つ者よ。 声高らかに開闢を唄え。 今はもうどこにも居ない、あの人のために。    黄昏の光が、灰色の衣をまとう少年の手のひら...

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青い薔薇の魔法(4)

 師に事情を話してから一週間後、エルクは師から眼鏡をもらった。  鍛冶工房にいる黒き衣のゼクシスに、特注で作ってもらったものだ。  近視になったからだとラデルには説明したけれど、ギヤマンのレンズには特殊な膜が貼られている。  (幽霊だけ見えなくなるなんて、すごい!)  眼鏡をはずすと、回...

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青い薔薇の魔法(3)

(はじめはぼんやり、影のようなものが見えるだけだった)(でも何日かしたらくっきりはっきりしてきて)(あっちにもこっちにも、うじゃうじゃいる……)(ほら、こっちをにらんでる) エルクが必死に頼んだので、師は口を閉じてくれた。 ラデルに講義で使う巻物を探すよう命じた師は、...

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青い薔薇の魔法(2)

 朝餉を食べ終えたあと、ラデルはエルクを図書室にいざなった。 二階にある図書室は、岩穴がいくつもつながっている構造で、とても広い。  壁は一面、岩をくりぬいた本棚だ。木製の書棚も、森のようにうっそうと、何列もそびえている。  書物が痛むのを防ぐため、窓はひとつも作られていないが、室内はとて...

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