モンスターハンター 騎士の証明~85
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/07/18 14:13:07
【生きようとする、命は】
「リオレウス――なぜここに!?」
見上げたブルースは、とっさに腰のポーチに手をかけていた。だが、その手首をザインが抑える。
「待て」
「何をする! このままでは――」
「閃光玉は、よせ。今は様子を見ろ」
錆びた鉄の声に、ブルースはそれが正しいと知った。ザインに手首をつ...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【生きようとする、命は】
「リオレウス――なぜここに!?」
見上げたブルースは、とっさに腰のポーチに手をかけていた。だが、その手首をザインが抑える。
「待て」
「何をする! このままでは――」
「閃光玉は、よせ。今は様子を見ろ」
錆びた鉄の声に、ブルースはそれが正しいと知った。ザインに手首をつ...
【不滅の飛竜】
「しまった!」
燃え盛る炎に巻かれる中、白い煙が漂ってくるのを見て、ブルースが瞠目する。
「どこ行くんだよ!」
両目に機械を埋め込まれたディアブロスと奮戦していたボルトが、身を翻したブルースに驚いて叫ぶ。ブルースは、煙が流れていく方向へ走りかけ、振り向いて怒鳴った。
「誰かがけ...
【ハンターの義務】
「あ……」
ボルトは力なくアンデルセンをゆすった。
「アンデルセン? おい、おい!」
ゆする強さがどんどん強くなり、アンデルセンの身体が大振りに揺れる。だが、アンデルセンは声も出さなかった。
「嘘だろ……そんな、そんな...
【混乱】
ザインは無表情のまま黙っていた。こちらの考えを推し量っているのだろう。
無理もない。ロジャーは相手の冷徹な視線を受け止めながら思う。
ロジャーの出した提案は、実に都合の良い話だ。ザインの目的は、この地下研究所のどこかに隠されているだろうドンドルマギルドから盗まれた古文書と、ここでの...
【密偵】
ドンドルマのギルドナイトと聞いて、居合わせる学者の何人かが怯えたように身じろぎした。ザインはじろりと彼らを一瞥(いちべつ)する。
「なるほど。密猟者や違法科学者を追っていたのは我々だけではないということか」
ブルースが油断なくザインを見つめる。背負う長大な太刀は、ラストエスディシスと...