アスパシオンの弟子82 焼成(前編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/01/30 13:42:53
黄昏の空。暮れなずむ赤。日没の光。
エティアとメキドの国境を過ぎるとほどなく、ポチ2号は夕空を後にして地下へ潜った。
地下線路を走ってしばらくして気づく。王都までの道はこんなにうねうね曲がっていないはずだと。すると鉄兜のウェシ・プトリが、地下のあちこちに検問ができていると口を尖らせた。
「...
黄昏の空。暮れなずむ赤。日没の光。
エティアとメキドの国境を過ぎるとほどなく、ポチ2号は夕空を後にして地下へ潜った。
地下線路を走ってしばらくして気づく。王都までの道はこんなにうねうね曲がっていないはずだと。すると鉄兜のウェシ・プトリが、地下のあちこちに検問ができていると口を尖らせた。
「...
ごととん、ごととん、とポチ四号が音をたてて線路を走る。蒸気の煙を吐きながら、ファイカから遠ざかる。
赤毛の子が乗ってる運転士席から、車両連なる後方をみやるウサギな俺。兄弟子さま。そして、ウサギの着ぐるみ魔人。そして貨物には、ハッピーモフモフランドのウサギたち。
ウサギ頭をかぶっていると落ち着く...
な……? 我が師が、ペペ?!
「僕のかわりにお師匠さまがあそこの廃院の泉に封印されたんです。だから僕は永遠にここでお師匠さまのお墓を守るって決めたんです。だって僕はお師匠さまをだれよりも愛してるから。僕たち、相思相愛だったんだ。お師匠さまはまた僕のために&hellip...
目の前に提示された恐ろしい物体を、俺の目は一瞬で拒否した。衝撃を受けた脳味噌の中に浮かんだ言葉を、何度も何度も一文字一文字反復させる。
な。ん。だ。こ。れ。は。
恐ろしいものから目を反らす。許容できないものは視界に入れないに限る。しかし逃避は解決にはならないとすぐに思い直す。では、どうすべきか...
ごおごおと落ちていく方舟は、白い羽毛をまき散らす六翼の女王が支えてくれたことにより、四方飛散することなく海面に不時着できた。
落ちた場所はエティア西南部の港町の沖。港町にはすでにジャルデ陛下が手を回して、救護部隊を派遣してくれていた。
「くう……ちょっときつかったわ...