モンスターハンター 騎士の証明~80
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/07/03 10:26:17
【慟哭】
「……どうして……」
無意識なのか、構えた銃を胸に引き寄せようとする。だが、ロジャーは頑として銃身をつかむ左手を離さなかった。
微動だにしない愛銃に焦れて、ユッカが「どうして」と繰り返す。
「どうして、止めるんですか&helli...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【慟哭】
「……どうして……」
無意識なのか、構えた銃を胸に引き寄せようとする。だが、ロジャーは頑として銃身をつかむ左手を離さなかった。
微動だにしない愛銃に焦れて、ユッカが「どうして」と繰り返す。
「どうして、止めるんですか&helli...
【私は人間であることを恥じる】
リオレイアの弾けた腹からさらけだされたのは、正体不明の機器と結合された内蔵であった。ユッカを叫ばせたのは、その不合理さと、無機物と有機物が絡み合う生理的な嫌悪のせいだった。
――ギャアアアッ!!
身体を拘束するワイヤーを引きちぎろうともがきながら、リオレイアは...
【竜機兵】
「竜機兵……?」
初めて聞く言葉に、ショウコがおぞましげに眉をひそめた。
「なんや、それ……いったい何のためにこんなけったいなもん造ったんや」
「――今から何百年も前、人類は科学による文明の最盛期にあった」
構えていたボウガン...
【禁忌・2】
「おい……お前らいったい、何してやがんだ……?」
押し殺したボルトの声は、とまどいではなく怒りに震えていた。
「なあ、頭の悪い俺にもわかるように教えてくれよ?」
ロジャーは無言で広間の奥へ数歩進んだ。まるで気圧されたように、...
【禁忌】
ランマルに先導されて、ロジャー達は城一階の最奥にある大広間にたどり着いた。
「ここは……」
「謁見(えっけん)の間だ」
広間を見渡したロジャーのつぶやきにガレンが答える。
ガレンの言う通り、その場所はかつての栄華の名残をおぼろげにとどめていた。巨大な円柱...