モンスターハンター 騎士の証明~70
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/05/10 09:35:26
【死の都・クド】
その街は、死んでいた。
雨雲とは縁遠い砂礫の地で、その街はじっとりと昏い影をまとわせていた。
西に遠くそびえる雪嶺の尾根に、色づき始めた太陽が姿を隠そうとしている。光を失いつつある空気が、たたずむ街の屍をより濃く浮かび上がらせていた。
「……...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【死の都・クド】
その街は、死んでいた。
雨雲とは縁遠い砂礫の地で、その街はじっとりと昏い影をまとわせていた。
西に遠くそびえる雪嶺の尾根に、色づき始めた太陽が姿を隠そうとしている。光を失いつつある空気が、たたずむ街の屍をより濃く浮かび上がらせていた。
「……...
【それでも狩人は前に進む】
「あなたの言いたいことはわかります。でも、それこそが狩人の資質を分けるものでもあるのですよ」
「……どういうことだ?」
「ハンターを志す動機はさまざまです。しかし、いかなる動機であろうと、結局は私が先ほど言った結論につながります。すなわち――...
【兄の背中】
「よっしゃ、同士討ち2回目! いける!」
双眼鏡を覗くボルトが歓声をあげた。
「いや、まだだ!」
同じく双眼鏡を目に当てたブルースが固い声で言う。
「――死角から来る!」
ティガレックス亜種の口腔から白い湯気が噴き出した。両腕を走る血管の色が黒く変わり、怒気もあらわに吼え猛る...
【奇襲】
こちらの視界もままならないほどの濃い白煙がユッカとショウコを完全に隠してくれたおかげで、ベリオロス亜種はまったくふたりに気づいていない。
全長20メートルほどもある巨体が何の疑いも持たずにゆっくり歩を進めている姿は、ハンターにとって緊張の瞬間でもあった。
けむり玉によるモンスターの...
【灼熱の渦中・3】
「モンスターが逃げますニャ!」
コハルが指して叫んだ。ランマル達が振り返ると、ベリオロス亜種もまた、大きく翼をはためかせて上昇しようとしている。巻き起こった風で砂ぼこりが吹きつけ、とっさに全員が顔をかばう。
「あの方向、ティガが向かったのと同じやな」
またたく間に彼方へ飛び...